猫は毎日排便するのが普通です。ただ、猫はさまざまな理由により便秘を引き起こすことがあります。

便秘の原因はいろいろあり、水分不足・ストレス・病気・生活習慣などの要素が複雑に重なって起こります。日ごろから猫がスムーズに排便しているかどうかを確認することは、猫の健康を守る上でも大事です。

便秘を放置すると重症化した便秘である巨大結腸症という病気になる可能性が高まります。また、便秘をすることで体の重要な解毒器官である肝臓に負担を掛けることになります。

飼い主は猫のウンチが正常に排泄されているかどうか日々把握しましょう。もし、便秘になった場合、早めに対処するようにしましょう。

今回は便秘の原因や便秘対策のポイントについてお伝えします。

猫の便秘を疑うとき

猫の正常な便の排泄(はいせつ)回数は1日1回です。大人の人差し指1本分の便が標準サイズです。ただ、猫によって個体差はあります。猫の便秘を疑う状況はさまざまです。具体的な状況については下記の4つがあります。

・キャットフードを食べているのに2~3日排便がない

いつも通り1日2回キャットフードを食べているのに、トイレにウンチがされてないときは便秘を疑いましょう。規則正しい食事をしていれば、毎日の排便はだいたい決まった時間にあるはずです。

我が家は高齢猫が3匹いますが、最高齢の18歳の猫が上記のように2~3日ウンチが出ていないことがありました。加齢による筋肉や内臓の衰えが原因です。猫の年齢が高齢化している場合、飼い主によるウンチのチェックは大事なポイントになります。

・猫がトイレで排便のポーズをするがウンチが出ず、トイレから出てくる

猫がトイレで何回も排便のポーズをするのは便意を感じるからです。以下は猫の排便するときの写真です。

ただ、便秘ではウンチが硬くなり出てこないため、何度も出そうとします。このとき、苦しくて大きな鳴き声をあげる猫もいます。これは、猫にとっては多大なストレスになります。

・排便はあるが、いつもと比べウンチの大きさが小さい場合、またはいつもと比べウンチが細い

毎日トイレを掃除するときに飼い猫のウンチをチェックします。いつもと比較してウンチが小さいときや、細いときがあります。キャットフードの種類や与える量が変わらないのに、ウンチが小さくなるや、ウンチが細くなるなどの変化があったときは便秘を疑いましょう。

我が家の場合、被毛が冬毛から夏毛に生え変わる4月から6月ごろの換毛期(かんもうき)と水を飲む量が減る冬場に便が小さくなったり、細くなったりします。

4月から6月の換毛期(かんもうき)は、猫が被毛を舐めて手入れする際に大量に毛を飲み込むため、毛が絡まったウンチが出ます。また、カサカサした感じの小さめのウンチに毛が絡まり連なっているときもあります。

また、冬は寒いため猫は動かずにこたつの中や電気カーペットの上でゴロゴロしています。冬は水を飲む量が少なくなる時期でもあります。水分不足により、腸内のウンチが乾燥し便秘になります。

・下腹部を触ると硬く、ゴロっと膨らんでいる

毎日排便している猫のお腹を触ると、柔らかく弾力があり温かいです。一方、便秘の猫のお腹を触ると、硬く張っています。下腹部全体が冷えて硬くなっています。お腹をさわっていると、特に硬い部分がゴロっと膨らんでいるのでウンチが詰まっているのがわかります。

猫が高齢化すると上記のようなことが起こりがちです。日ごろのウンチのチェックと併せて、飼い猫のお腹が硬くなってないかをチェックしましょう。

猫の便秘の原因

猫の便秘の原因はさまざまです。では、猫の便秘にはどのような原因が考えられるのでしょうか。具体的な原因については下記の5つになります。

・水分摂取が少ない

ウンチは食べ物の残りカス・腸内細菌の死骸(しがい)・水分から出来ています。ウンチの中の水分は70~80パーセントあります。

ただ、猫は砂漠に住んでいた動物のため、水分を体内でリサイクルできる体の構造になっています。そのため、日ごろ積極的に水を飲まない猫のウンチは硬くなり排便しにくくなります。

飼い主は、飼い猫が日ごろ水をどのくらい飲むのかをチェックしておくと良いでしょう。

・食事の内容に偏りがある

キャットフードの原料に食物繊維が不足していると便秘になります。食物繊維は善玉菌のエサになったり、腸内にたまった便を包み込んだりする作用があります。キャットフードの原料のバランスは大切です。

・老化による胃腸の働きの衰え

15歳以上の高齢猫になると筋肉や内臓の機能低下により便秘がちになります。猫が高齢になった際にかかりやすい病気である慢性腎不全の代表的な症状にも便秘があります。

高齢猫については、毎日排便が少ないと感じる場合、または便の状態が乾燥していると感じたら病院で血液検査を受けた方が良いでしょう。

検査項目でアンモニアの数値が基準範囲より高くなっていると便秘です。具体的には、23~78㎍/dlの範囲が正常範囲となり、上限の78㎍/dlを超えたら便秘と判断されます。

・ストレス

猫はストレスを感じやすい動物です。「トイレが汚い」「猫仲間と相性が悪い」「猫砂が気に入らない」など、猫によって原因さまざまです。ストレスから便秘を引き起こすことがありますので注意しましょう。

・被毛の毛が詰まる

猫は被毛を舐めて手入れする習慣があります。特に若い猫は被毛の手入れを頻繁に行います。そのため、4~6月の被毛が冬毛から夏毛に代わる換毛期(かんもうき)は大量の毛を飲み込みます。

通常猫は毛を吐き戻すため、体内に残る毛は少ないのが普通です。ただ、飲み込む毛が大量になると全部を吐き出すことが難しくなります。そのため腸内に流れて便秘を引き起こします。

猫の便秘対策

便秘の症状や便秘の原因について案内しました。次は、便秘対策についてお伝えします。

猫を日ごろ観察していると便秘になりそうな状況は予測できます。便秘を避けるためにも、規則正しい生活を習慣化させるように気をつけましょう。具体的な対策は以下の5つです。

・水分補給

水分を多く摂取することは、便の状態を柔らかくします。そのためには、猫がいつでも水を飲めるように水飲み場を多く作ってあげましょう。1日に必要な水分量の目安は以下のとおりです。

  • 猫の体重 3キログラムの場合 水分量の目安 190ミリリットル
  • 猫の体重 4キログラムの場合 水分量の目安 240ミリリットル
  • 猫の体重 5キログラムの場合 水分量の目安 280ミリリットル
  • 猫の体重 6キログラムの場合 水分量の目安 320ミリリットル

上記の水分量は理想的な目安です。猫が生活する環境や運動量などで水を飲む量は変化します。猫の水飲み容器に水を入れ替える際、計量カップを活用するのがおすすめです。

水を器に入れる時と捨てる時に計量カップを使うことで、猫が1日にどのくらい飲んだのかを把握できます。

もし、飼い猫が日ごろから水を飲む量が少ないと感じる場合、キャットフードをドライタイプからウェットタイプへ切り替えるのも便秘対策になります。

ドライキャットフードは水分量が5~10パーセントですが、ウェットタイプのキャットフードの水分量は70~80パーセントです。フードを切り替えるだけで猫が体内に取り入れる水分量が増えます。

成猫以上は1日の食事の回数は2回です。例えば、朝か夜のどちらか1食をウェットタイプに変更するなどして様子をみてみましょう。

ただ、ウェットタイプのキャットフードは口腔内が汚れやすくなるというデメリットがあります。口腔ケアも忘れず行いましょう。

・決まった時間に食事をする

胃腸の働きにはリズムがあり、規則正しく整えることは便秘対策になります。飼い猫へ食事を与える時間を決めることで、胃腸の働きが整ってきます。食事を与える時間や与える量を管理すると、決まった時間に排泄(はいせつ)が行われます。

もし、規則正しく食事をあたえることが難しいときは自動給餌機を活用すると良いでしょう。実際のものは以下の通りです。

ペットショップやホームセンターで販売されています。大きさは縦22.6㎝、横22.6㎝、高さ33.4㎝です。5グラム単位で設定可能であり、フードストック量は1キログラムまで可能です。1日3回まで設定可能です。
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・キャットフードの見直し

キャットフードの原材料に添加物が多すぎるものや栄養が偏っているのは問題です。栄養バランスの良く、食物繊維が豊富に含まれているキャットフードを選びましょう。

キャットフードの中には、「便秘を予防するために善玉菌のエサとなる材料が含まれたもの」「食物繊維が豊富にが含まれたもの」があります。日ごろから栄養バランスの取れたキャットフードを選んで便秘対策をしましょう。

・リラックス状態を作らせる

猫がストレスを感じ緊張状態になると、胃腸をスムーズに働かせる副交感神経(ふくこうかんしんけい)の働きが弱くなり便秘を引き起こします。

食べ物を消化するために胃や腸が伸びたり縮んだりする蠕動運動(ぜんどううんどう)が速やかに行われるためには、リラックス状態が理想的です。適度な運動、清潔な水やフードを与えること、清潔なトイレなど心がけ便秘対策をしましょう。

また、猫は急な環境の変化を好みません。新しく猫を迎える場合、新しい猫はケージに入れて、先住猫は自由に歩き回れるようにし、猫同士が徐々に慣れるよう工夫しましょう。

・ブラッシング回数を増やす

猫の被毛は4~6月の冬毛から夏毛へ生え変わる時期が一番抜けます。この時期は毎日ブラッシングすることをおすすめします。

頻繁(ひんぱん)にブラッシングすることで、猫が被毛を舐めて手入れをするときに飲み込む毛が少なくなり便秘対策になります。

猫の便秘におすすめキャットフード

いろんなことに気をつけていても飼い猫が便秘になるときはあります。そんなときは、便秘解消を目的にした療法食を選ぶと良いでしょう。また、療法食ではありませんが、便秘にならないようなものが原材料に含まれたおすすめのキャットフードがあります。

具体的なキャットフードは下記の2点になります。

ロイヤルカナン 消化器サポート(可用性繊維)

ロイヤルカナンの猫用食事療法食には2種類の消化器サポートがあります。違いは名称が「消化器サポート」だけのものと、「消化器サポート(可用性繊維)」のものです。

「消化器サポート」は下痢しやすい猫用向けであり、「消化器サポート(可用性繊維)」は便秘しやすい猫用向けのキャットフードです。便秘対策用は以下の通りです。

この「消化器サポート(可用性繊維)」の原材料は以下の通りです。

便秘対策となる特徴は以下の2点です。

・高消化性の原材料が使われている

原材料を加熱し細かく粉砕し消化吸収が速やかに出来るように工夫されています。消化率90パーセント以上であり、消化に負担をかけません。

・便秘に良い原材料が配合されている

具体的に原材料に含まれているものは以下の3つです。

【サイリウム】

オオバコ科の植物であるプランタゴ・オバタから作られた食物繊維です。主に水溶性の食物繊維から出来ています。腸を整える効果が高い食材です。

【フラクトオリゴ糖】

腸内のビフィズス菌や乳酸菌をはじめとする善玉菌を増やします。善玉菌が増えることで、腸内を酸性に整え腸の動きを活発にする効果があります。

【酵母エキス(マンノオリゴ糖含有)】

マンノオリゴ糖は口から入って胃を通り、小腸でも分解されずに大腸まで届くオリゴ糖です。そのため、大腸に住んでいる様々な善玉菌のエサになり、便秘を予防します。

モグニャン

総合栄養食で全年齢型のキャットフードの中では、「モグニャン」が便秘予防に優れています。パッケージは以下の通りです。

原材料の中の便秘予防になる原材料は以下の4つです。

【さつまいも】

さつまいもには食物繊維が多く含まれています。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不水溶性食物繊維」があります。

水溶性食物繊維は腸内に溜まった不要なものを包んで体内に排出する作用があります。一方、不水溶性繊維は胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸の動きを活発にする働きがあります。

さつまいも内の食物繊維の水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維のバランスは2:1です。このバランスは便通改善のためには理想的な割合です。

【バナナ】

バナナはさつまいも同様に水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維のバランスが理想的に含まれた食べ物です。また、フラクトオリゴ糖を含んでおり、腸内でビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌のエサになります。

【かぼちゃ】

かぼちゃは、さつまいも・バナナ同様に水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維のバランスが理想的に含まれた食べ物です。

【りんご】

リンゴに含まれるアップルペクチンには2つの特徴があります。1つ目は、水溶性食物繊維によって腸の中の溜まったものを包み込みます。2つ目は、大腸に届くことで腸内のビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌のエサになります。そのため腸を整えるには効果的な食材です。

ちなみに我が家には高齢猫が3匹います。そのうちの1匹の猫の直近の血液の診断結果は下記の通りです。

14歳のメス猫の結果です。継続的にモグニャンを食べており、便秘かどうかを判断する数値のアンモニアは正常範囲内です。23~78㎍/dlが正常範囲ですが、検査結果では52㎍/dlでした。今のところ便秘の心配はありません。

アンモニア値が基準値を超えると、体内の解毒(解毒)を促す器官である肝臓に負担をかけることになります。体の中の老廃物が体外に排出されないため、アンモニア臭のする口臭がすることもあります。肝臓は猫の健康にとってはとても大事な器官です。

肝臓に負担を掛けないためにも日ごろから便秘にならないキャットフードを選ぶことが重要になります。
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まとめ

猫の正常な排泄(はいせつ)回数は1日1回です。3日排泄(はいせつ)がないときは、便秘を疑いましょう。

便秘の原因は、水分不足・食事内容・老化・ストレス・被毛の生え変わる時期などいろいろです。猫はあまり水分を摂らなくても大丈夫な体の機能をもっていますが、水分不足は便秘を引き起こします。日ごろからどのくらいの水分を摂取しているのかを把握しておくと良いでしょう。

猫が便秘がちの場合、お腹が硬くなったり、冷たくなったりします。日ごろから、猫のお腹を触るようにすると硬い・柔らかい・冷たい・温かいに気が付きやすくなります。

便秘にならないためには、栄養バランスに優れ食物繊維が豊富であり、腸内の善玉菌のエサとなる成分が含まれたキャットフードを選んであげましょう。

便秘は慢性化しやすいですが、水分・食事・環境など日々の生活を見直すことで改善できます。ただ、高齢猫の場合、腎機能の衰えが原因で便秘を引き起こします。高齢猫のウンチは注意して観察するようにしましょう。

猫が健康で長生きするためにも、日ごろからの便秘予防や便秘対策が必要です。