猫が若い内は、内臓の働きが活発なため、よほどのことが無い限り、便秘に悩まされることはありません。しかし、猫もシニア(7歳以上)になれば、徐々に身体の機能が衰え便秘がちになるケースがあります。更に、高齢猫(15歳以上)になると、ウンチの回数自体が少なくなり、便秘で悩むことが多くなります。

高齢になればなるほど、身体全体の水分が少なくなり、脱水気味になります。そのため、高齢猫(15歳以上)が、便秘になるのは仕方がないと言えます。しかし、便秘が続くと、腎臓に大きな負担を掛けることになるため、放置してはいけません。

あなたの猫が、いつまでも元気に過ごせるよう、シニア(7歳以上)ぐらいから、便秘を予防したり、便秘を改善したりするキャットフードを与えておくことが重要です。今回のお話は、シニア以上の猫に起こりがちな便秘の原因を知り、便秘改善するためのキャットフードについてお話します。

シニア猫、高齢猫が便秘になる原因

シニア(7歳以上)猫から高齢猫が便秘になる大きな理由に水分不足や内臓の働きの低下があります。それぞれについて以下に詳しくお話します。

水分不足による便秘

若い猫は、身体がみずみずしく潤っています。しかし、シニア(7歳以上)になれば、徐々に身体の水分が減少していきます。その証拠に、若い猫は、つやつやした毛並ですが、年齢を経るごとに、少しずつパサパサした毛並になってきます。

これは、人間に例えてみると同様のことが言えるでしょう。人間の赤ちゃんの身体は、75%が水分です。大人になると、身体の水分は60%に減り、更に老人になると、身体の水分は50%になってしまいます。

赤ちゃんは、プルプルと弾力のある肌をしていますが、年齢を重ねるごとに、徐々に皮膚のハリやツヤが失われ、老人になればカサカサした肌になっていきます。猫も人間と同じ生き物です。高齢になれば、なるほど、身体の中の水分は減少します。

身体に水分が不足すると、便が硬くなり出にくくなります。そして、3日以上便が出ないと、腸の中のウンチがカチカチになり、更に出にくくなります。シニア以上の猫は、毎日ウンチが出ているか確認するようにしましょう。もし、2日以上出ていないようなら、下剤などを使って、早めにウンチを出すようにしましょう。

猫の便秘は、放置して良くなることはありません。なるべく早めに対処してあげることが重要です。

内臓の働きの低下

シニア(7歳以上)の猫は、運動量が減り、内臓の働きが少しずつ鈍ってきます。そして、腸のぜん動運動も弱くなると同時に、身体の水分が少なくなるため、ウンチがコロコロした形に変化します。

毎日ウンチが出ていたとしても、ウンチの形が若い時と比べて小さくなっているようであれば、便秘を疑っても良いでしょう。毎日の食事がドライフードを与えているのであれば、水分を多く摂れるように、ウェットフードに切り替えるなど工夫が必要です。

便秘がちな猫の行動

猫が便秘でウンチが出ない時や、毎日ウンチは出ていても量が少なく、スッキリ出ていない時に、以下のような行動をとることがあります。便秘は、不快症状なので、早めに気づいてあげましょう。

換毛期(かんもうき)でなくても草を食べたがる

口から肛門までは、1本の管(くだ)です。食べたものを消化して残りカスがウンチとなります。しかし、残りカスであるウンチがスムーズに排出されなければ、腸に溜まったウンチの水分が身体に吸収されます。そのため、猫の血液の中のアンモニア濃度が高くなります。

猫の身体にアンモニアが巡ると、気分が悪くなるようです。そのため、スッキリするため、草を食べたがります。

猫が草を食べたがるのは、主に、猫の毛が生え変わる5月~7月あたりです。毛を舐めて整える際に、大量の毛を飲み込んでしまうため、草を食べ、毛を吐き出します。しかし、それ以外の時期に、草を食べたがるようであれば、ウンチがすっきり出ていないのかもしれません。

そんなときは、猫のウンチを観察しましょう。若いころと比較して、ウンチの量が小さくなったと感じることがあれば、スッキリウンチが出ていないのかもしれません。

粗相をする

猫はキレイ好きで、自分のテリトリーを大事にする性質があるため、トイレの数は、飼い猫+1が理想的です。トイレが少なかったり、トイレが汚れていたりすれば、ウンチやおしっこを我慢することがあります。トイレは、常に清潔にしておく必要があります。

しかし、猫のトイレの数や清潔さに気を配っていても、トイレ以外で猫がウンチをする場合があります。我が家の現在20歳のメス猫も、18歳ごろのとき、再々粗相をすることがありました。

獣医師に相談して、身体を調べてもらったところ、頑固な便秘になっていると言われました。レントゲンでもウンチが詰まっている様子が確認できました。また、血液検査では、アンモニア値で便秘かどうかを確認することができます。実際の数値は以下のとおりです。

便秘になると、全ての猫がトイレ以外の場所で粗相する訳ではありませんが、体調が不快だと知らせている場合もあります。理由もなく、粗相を繰り返すことは滅多にないため、体調を良く見てあげましょう。

便秘改善のおすすめキャットフード

便秘を改善するために、おすすめのキャットフードを3種類紹介します。我が家の猫もシニア(7歳以上)ばかりのため、便秘になっていました。そこで、試してみたところ、目覚ましい効果があったものばかりです。

ロイヤルカナン療法食 消化器サポート(可用性繊維)

ロイヤルカナンの療法食に便秘改善のためのキャットがあります。パッケージは以下のとおりです。

原材料は以下のとおりです。

便秘改善の原材料は、サイリウム、フラクトオリゴ糖です。

サイリウムは「結腸の掃除屋」と呼ばれることもある食材です。水を含むとカサが増すため、腸管に溜まったウンチを包み込んで排出してくれます。

フラクトオリゴ糖は、腸内に棲みついている善玉菌のエサになり、腸内環境を良くしてくれます。

我が家の猫達はいろんなフードを回して食べています。ウンチの様子を見て、コロコロした便秘のウンチになってきたら、消化器サポートを与えるようにします。

効果てきめんで、消化器サポートを与えた翌々日あたりから、20㎝ぐらいの快便をします。猫も、ウンチがすっきり出て気持ち良いのか、排便後は飛び上がって走っていきます。便秘でお悩みの猫にはおすすめです。

ヒルズ療法食 腎臓ケアk/d ツナ入り

ドライタイプのキャットフードが苦手で、ウェットフードを好む猫が便秘になったら、ヒルズ療法食 腎臓ケアk/dを試してみると良いでしょう。実際のものは、以下のような缶に入っています。

中身は、以下のようなやわらかいムースタイプです。

水分を多く含み消化が良いため、胃腸に負担を掛けません。高齢になれば、固いドライタイプを好まなくなる傾向もあるため、ウェットフードを与えることも取り入れると良いでしょう。我が家の20歳の猫は、ツナ味が好きで、ヒルズ療法食を良く食べています。

アカナ パシフィカ

アカナは新鮮な原料で作られたキャットフードです。パッケージは以下のとおりです。

アカナは、放し飼いの鶏肉中心の「ワイルドプレイリー」、天然ニシンやイワシなどの魚中心の「パシフィカ」、草原で育てられたラム中心の「グラスランド」の3種類の味があります。

パシフィカの原材料は以下のとおりです。

アカナはどれも、原材料が良質でお腹の調子を整える乳酸菌を含むキャットフードです。我が家の猫達は、「パシフィカ」が大好きで、飽きずに食べています。先に紹介したロイヤルカナンの消化器サポートほどではありませんが、アカナを食べた後も、スッキリ快便しています。

水分を摂りたがらない猫の便秘改善とは

水分をしっかり摂れば、便秘改善になります。しかし、飼い主がどれだけ水を飲ませたいと思ってもなかなか飼い猫が水を飲みたがらない場合があります。そんな猫に、水を飲ませる方法についてお話します。

カルピスを混ぜる

猫に水を飲んでもらうために、少しだけカルピスを混ぜる方法があります。スーパーに売られている、以下のカルピスを使うと良いでしょう。

実際に入れる量は、500㎖に対して0.5㎖ほどの少量で十分です。どのくらいの量になるのか以下の写真で確認下さい。

水500㎖は大き目の計量カップ一杯分です。

カルピス0.5㎖はシリンジを使うと、正確に測ることができます。

カルピスは猫の好みに合わせれば良いですが、量が過ぎると、カルピスの異質な香りにびっくりする場合があり、寄り付かなくなるケースがあります。また、カルピスには人工甘味料が入っているため、量が多すぎるのは、糖尿病が心配になります。

我が家の場合、水500㎖に対してカルピス0.5㎖だと、特に違和感を感じることなく飲んでくれます。

ダシを混ぜる

猫は、好き嫌いの好みがうるさいため、カルピスを嫌がる猫がいます。その際は、ダシで試してみてください。カツオ風味が好きで飲んでくれる場合もあります。

我が家は、以下のそうめんダシを少し混ぜています。

ダシの量はカルピスと同量の水500㎖に対して、ダシ0.5㎖で十分です。

ダシもシリンジで測ります。実際のものは以下のとおりです。

猫の好みもあるため、水に混ぜるダシは、0.3~0.6㎖ぐらいの間で調整しても大丈夫です。

飼い主が、猫にどれだけ水を飲んで欲しいと言っても、猫に飲む気がなければ、絶対に飲みません。しかし、猫が好む香をつければ、好んで水を飲んでくれます。猫は好き嫌いが激しいという気質に着目して、猫が好むものを与えてみるようにしましょう。

まとめ

シニア猫~高齢猫になれば、身体全体の保水力が衰えます。身体の水分が少なくなれば、便秘がちになることも多くなります。便秘は、不快な症状であり、放置しておくのは可愛そうです。あなたの猫を便秘から守るため、便秘改善のキャットフードに切り替えてみることをおすすめします。

キャットフードの切り替えと合わせて、猫が水を飲む工夫もしてみましょう。具体的には、いつもの水に少しのカルピスを加えるか、ダシを加えるかしてみてはどうでしょう。なかなか水を飲んでくれない猫も、好みの匂いがすれば、興味を持って飲んでくれます。

ただ、猫の好みは個々に違うため、入れるカルピスやダシの量を微調整することも大事です。水分を摂れば、便秘予防や便秘改善になります。あなたの猫の健康を守る上でも、キャットフード選びや水の摂取するための工夫を取り入れて下さい。