キャットフードの原材料にミールが含まれているものがあります。ミールとは粉のことをいいます。家禽(かきん)ミール、ビーフミール、フィッシュミールは、それぞれ鶏、牛、魚の食用部分を取り除いた部位を粉にしたものです。

一方、原材料に鶏、七面鳥、白身魚と表示されたキャットフードもあります。鶏、七面鳥、白身魚の筋肉部分の肉は食用肉として使われます。そのためキャットフードの原材料にこれらを使った場合、ミート(食用肉)と表示されます。

原材料がおもにミール(粉)で作られているもの、食用肉で作られているものの違いでキャットフードはどのような差がうまれるのでしょうか。キャットフードの価格は高いものから安いものまでさまざまですが、傾向として安いキャットフードであるほどミールが多く含まれています。

私たちは一般的に安くて良い商品を求めますが、「価格が安い=安全性が高い」とはなりません。キャットフードは飼い猫が毎日食べる食事です。また猫は肉食動物なので、タンパク質が最も大事な栄養素になります。つまり、ミール(粉)とミート(食用肉)の違いはとても大事なポイントになるのです。

この違いを理解し、安全なキャットフードを選ぶことは飼い猫の健康につながります。今回は、ミールについて詳しくお伝えします。

ミートとミートミールの違い

AAFCOとは米国資料検査官協会(Association of American Feed ControlOfficial)の略称です。アフコと呼ばれています。AAFCOでは、ペットフードの栄養基準、ラベル表示のルールを設けていますが認定は行っていません。日本のペットフードはAAFCOを基準にしています。

AAFCO(ペットフードの栄養基準、ラベル表示のルール設定の機関)では、ミート(食用肉)とミートミール(肉粉)について下記のように分類しています。

・ミート(食用肉)

羊肉、牛肉、鶏肉などの動物から取れた汚染されていない肉です。動物の骨格に沿って付いた食肉のことをいいます。

・家禽肉(食用肉)

鶏、七面鳥などの肉のことが家禽肉(かきんにく)です。汚染されていない骨付きまたは骨なし肉と皮のことをいいます。

・ミートミール(肉粉)

ミートミールとは、羊肉、牛肉、その他動物の食肉と脂肪を取った後の部位を熱処理した後、乾燥粉砕したものです。

・家禽(かきん)ミール(家禽肉粉)

家禽(かきん)とは鶏、七面鳥の総称です。食肉を取った後の部位を熱処理した後、乾燥粉砕したものです。

ミール(肉粉)の安全性

ところで、世の中にはさまざまな情報があります。私自身「ミール=粗悪品」というイメージを持ってしまうような記事を読んだことがあります。そこで、メーカーにミールについて問い合わせを行いました。実際の質問と返答については以下のとおりです。

質問:ミールについて世の中にさまざまな情報があり、粗悪品というイメージを抱く記事を読みました。実際に原材料としてミールを使う理由にはどのようなものがありますか?

メーカー回答:ミールはペットフードの原材料として世界中で広く使用されているものです。原材料として使ういちばんのメリットは猫の好む味つけができることです。また、内臓は体の中で合成できない栄養を摂るためです。ミールは合理的な原材料であり、食用肉である筋肉部分と比較して、肝臓を含む方が猫が好む味付けになります。(回答要約)

上記の回答からミールについて知ることができました。「ミール=粗悪品」ではなく、必要性があって原材料に含まれていることがわかります。

キャットフードの原材料は猫の健康を考え、さまざまな食材をバランス良く配合してあることが重要です。猫は肉食動物ですので、メインの栄養素のタンパク質が良質なことが大事です。

飼い主は、原材料については正しい知識を持ってキャットフードを選択する必要があります。

キャットフードの比較について

キャットフードの原材料にはミール(肉粉)ばかりのもの、ミート(食用肉)ばかりのもの、その両方が含まれたものがあります。どのような違いがあるのでしょうか。比較してみましょう。

ミール(肉粉)中心のキャットフード

上記のキャットフードは家禽ミールが含まれたキャットフードです。

ミート(食肉)は含まれていません。猫にとっての肝心なタンパク質を考えるときに、ミール(粉)のみでは栄養が不足しています。また、いろんな種類の着色料が含まれています。添加物を加えて見た目を良くするのは猫が食べるものとしては不安です。

原材料の記載の順番ですが、配合の多いものからはじまります。このキャットフードの場合、穀類が最初に記載されています。主になる原料が小麦などの穀物であり、家禽ミールで香り良く作られていることが分かります。

このキャットフードは600グラム・400円ほどと安い価格帯のものです。実際に猫に食べさせてみると、食いつきは良かったです。ただ、猫のウンチは緩み消化不良でした。肉食動物の猫の毎日の食事としては、良質のタンパク質が不足しています。

ミール(肉粉)とミート(食用肉)の両方が含まれているキャットフード

上記のキャットフードには、ターキーの食用肉がメインに入っており、チキンミール、フィッシュミールが含まれています。色素系の添加物は入っていません。

このキャットフードは先ほどキャットフードに比べると価格はほぼ同じです(600グラム・500円ほど)。実際に猫へ食べさせてみると食いつき良く食べていました。ただ、穀物(米、コーングルテン、小麦)が含まれているためウンチの量は多めです。ただ、下痢を含め気になる症状ほどではありません。

また、ターキーが原材料の最初に記載されています。肉食動物に必要なタンパク質であるミート(食用肉)が主な原料です。チキンミール、フィッシュミールは猫が好む味付けのための補助食品として活用されています。先ほどのキャットフードのものよりもこちらのキャットフードの方が良さそうです。

ミール(粉)不使用キャットフード

こちらは白身魚のミートがメインのキャットフードです。原材料の最初の記載が白身魚と明記されています。また、原料自体が高品質というのが特徴のキャットフードで、添加物も含まれていません。ミール不使用のキャットフードです。

良質な食材を使っているため、先の2つと比較すると価格は高いです(600グラム・1,710円)。ただ、猫の健康を考えた場合、バランスの取れた新鮮な原料のキャットフードを得ることを考えると高い値段ではありません。また、まとめ買いや定期購入をすることで20パーセント割引もあります。

先の2つのキャットフードとの大きな違いは、穀物(米、コーングルテン、小麦)が含まれていないことです。原材料の中に一番多く含まれるのはタンパク質(白身魚)です。肉食動物の猫は、タンパク質をアミノ酸に分解してさらに糖に変えることができます。

つまり、猫は穀物を摂取しなくても生きていけるのです。穀物が多く含まれると、ウンチの量が増え臭いも気になります。しかし、このキャットフードの場合、タンパク質の割合が多いためウンチの量は少な目です。

ミール(粉)は便利な原材料で、「猫が好む味付け」「猫の体で合成できない栄養素を摂る」ことができます。穀物は材料費が安いため、ミールで味付けすることでキャットフードの価格を安くすることができます。

一方、ミール(粉)不使用のキャットフードは良質タンパクが主な原料であり、猫が必要なその他の栄養素はすべて含まれています。肉食動物の猫に適したキャットフードですが、他のキャットフードと比較すると価格は高いです。

ちなみに、我が家のすべての猫がミール不使用のキャットフードを食べています。「猫の食いつきが良い」「栄養バランスに優れ毛並みがツヤツヤしている」「ウンチの量が無駄に多くない」というメリットがあります。飼い主にとっても素材の良さは安心です。

原材料の猫への影響について

ミール(粉)とミート(食肉)の違いを理解することは重要です。ミール(粉)はキャットフードの原材料としては一般的です。利用目的も「猫が好む味つけ」「猫の体で合成できない栄養素(必須脂肪酸など)を摂る」です。

ただし、猫は肉食動物ですから良質なタンパク質を必要としています。ミール(粉)がメインのキャットフードは猫が本来必要なタンパク質が十分に含まれていません。値段を安く抑えるために原材料の安いものを選んだと考えられます。

添加物が多く含まれたキャットフードを与え続けると健康被害が出てくることもあるでしょう。安いキャットフードには、それなりの理由があることを理解しましょう。

一方、ミール不使用のキャットフードは、高品質で新鮮なことが特徴になっているものが多くあります。原材料にこだわる理由は、肉食動物にとって良質なタンパク質は重要だからです。

ただ、ミール不使用のキャットフードの価格は高くなりますが、猫の健康や安全性を長期的に考えたならば、高すぎる値段ではないでしょう。

ミール(粉)・ミート(食用肉)の両方が含まれたキャットフードは、標準的な品質と考えれば良いです。原材料をチェックし、過剰な添加物が入っていないかなど確認は必ずしましょう。

まとめ

猫の健康を考える場合、キャットフードに含まれる「ミートミール(肉粉)、家禽ミール(鶏肉粉)」と「ミート(食用肉)」の違いを理解しなければいけません。

猫にとって一番大事な栄養素はタンパク質です。キャットフードの内容にタンパク質が含まれていることが大切です。猫が長く健康に過ごすためには、新鮮で良質なタンパク質であることが重要です。

ミートミール(肉粉)、家禽ミール(鶏肉粉)は一般的なキャットフードに使われる原料です。「猫が好む味付け」「猫の体で合成できない栄養素を摂る」などの活用目的があります。しかし、メインのタンパク質としては十分ではありません。キャットフードを選ぶ際は、ミート(食用肉)が含まれたものを選ぶようにしましょう。

キャットフードの価格はさまざまですが、高いキャットフードはミール不使用です。こうしたキャットフードは原材料の最初に「白身魚」「チキン」「サーモン」など明記されています。高品質でこだわりが強いのが特徴です。

一方でキャットフードの価格が安いものは、原材料が小麦などの穀物が多く含まれ、ミール(粉)で美味しそうな香り付けしてあるものがあります。添加物も多く含まれており、猫の健康を考えた場合は適していません。安いキャットフードは特に原料を確認しましょう。

毎日与えるキャットフードですから、原料を確認し適したものを与えましょう。そうすることで猫は健康で楽しく過ごすことができます。