いまでは、キャットフードの表示に穀物フリー(グレインフリー)と表示のあるものが増えました。特に海外産のキャットフードには穀物フリー(グレインフリー)と表示のものが多数あります。それに合わせ、国産のキャットフードにも穀物フリー(グレインフリー)に近いキャットフードが販売されています。

猫は肉食動物なのでタンパク質を多く摂る必要があります。そのため、良質なタンパク質が豊富な穀物フリー(グレインフリー)キャットフードは猫に適しているキャットフードです。ただ、穀物フリー(グレインフリー)の穀物は小麦、米、トウモロコシのことをいいます。穀物には、いも類や豆類も含まれています。

なぜ、いも類や豆類は穀物フリー(グレインフリー)の中に含まれていないのでしょうか。そのためには、「小麦・米・トウモロコシ」と「いも類・豆類」の栄養素の違いを理解することが重要です。

今回は、猫の体にとって少し必要な穀物とはどのようなものがあるのか。また、穀物は猫の体にどのような働きがあり、猫の体にはどのくらいの量が必要なのかについてお伝えします。

穀物フリー(グレインフリー・穀物不使用)が適している理由

穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードとは、穀物(小麦、とうもろこし、米などの穀物全般)を使わないキャットフードのことです。キャットフードによっては、「穀物不使用」と表示されていることがあります。

なぜ、猫には穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードが適しているのでしょうか。これには以下3つの理由があります。

・猫は完全肉食動物であり、必要な栄養素は「(肉・魚):(穀物・野菜・ミネラル)=7:3」

猫にとって必要な栄養はおもにタンパク質から摂取することで得られます。

・猫は炭水化物の消化が苦手

穀物(小麦、トウモロコシ、米)の代表的な栄養素は炭水化物です。炭水化物は糖質と食物繊維の総称として扱われています。

猫は炭水化物の消化力が低いです。その理由は、猫のだ液の中には、炭水化物を消化する酵素(こうそ)が少ししかありません。また、腸は雑食の人間、犬と比較して短くできています。大量の炭水化物を消化する場合、猫の消化器官には大きな負担がかかるのです。

・穀物は肥満になりやすい

猫が自然界で生きていくときは、充分な食事にありつけない場合もあり体には調整能力が発達しています。猫は、肉・魚を食べていれば、タンパク質・糖質・脂肪は必要に応じて作られます。糖質は活動エネルギーの素になりますが、タンパク質をアミノ酸に分解することで生成できます。

猫が日々必要としている炭水化物の量はわずかであり、過剰な摂取は肥満につながります。

穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードは、穀物不使用とすることで猫の胃腸に負担をかけません。肉食動物が一番必要としているタンパク質を中心として作られており、栄養バランスの良いキャットフードです。

猫に必要な穀物

猫が野生生活をしているときは、捕食のネズミやウサギの胃腸に残った穀物を食べていました。この穀物は猫の体でどのような役割があるのでしょうか。

穀物には炭水化物が含まれています。また、炭水化物には糖質と食物繊維を多く含んでいるのが特徴です。猫の体は糖質をタンパク質からも作り出すことはできますが、食物繊維を作ることはできません。

食物繊維は、猫が体を舐めるグルーミングで毛を飲み込んでしまったとき、毛を包み込んで体外に排出する助けになります。また、大腸では腸内細菌のエサになり、健康なお通じを促します。つまり、猫が炭水化物をすべて抜いてしまうと便秘になってしまいます。

つまり、炭水化物の中の食物繊維は猫の体にとっては有効な成分なのです。穀物フリー(グレインフリー)は小麦、トウモロコシ、米が含まれていないことを表します。一方、穀物の仲間にはさつまいも、じゃがいも、豆類、かぼちゃがあります。

さつまいも、じゃがいも、豆類、かぼちゃと小麦、トウモロコシ、米との間の違いはどのようなものがあるのでしょうか。さつまいも、じゃがいも、豆類、かぼちゃを食べることで、豊富な食物繊維以外にもビタミンB1、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシン、カルシウム、サポニンなどさまざまな栄養素を得ることができます。

このような理由から、穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードの中には、小麦、トウモロコシ、米以外のさまざまな穀物が含まれています。穀物の中でも、猫の体に必要な栄養素を持っている食物は必要です。

国産の穀物フリー(グレインフリー・穀物不使用)キャットフードのおすすめ

国産の穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードを下記のとおり紹介します。

キャットフード名は「ねこはぐ」です。日本製のキャットフードのため原材料には親しみのある食材が含まれています。

特徴は下記の5つです。

・原材料はすべて国産

・原材料の質は人が食べられるクオリティー

・穀物フリー(グレインフリー)ではなく、小麦フリー(グルテンフリー)

・ノンオイルコーティング

・酸化防止剤、無添加

「ねこはぐ」は、安心、安全なキャットフードを猫に与えたいという飼い主のニーズにしっかり答えた商品です。国産原料で遺伝子組み換え食品も使用していません。人が食べても大丈夫なレベルの原料が使われています。また、酸化防止剤不使用であり、無添加でもあるため、酸化しやすいオイルが含まれていません。

なぜ、穀物フリー(グルテンフリー)ではなく小麦フリー(グルテンフリー)なのでしょうか。猫も人間と同じようにアレルギー体質が増えています。猫がアレルギーを起こしやすい食品は、鶏肉・牛肉・乳製品・小麦に多くあります。

猫は肉食動物であるため、穀物の消化は苦手です。穀物の中でも小麦によるアレルギーを発症することが多いです。そのため、小麦を一切入れないことでアレルギーの予防をしています。

一方、少量の炭水化物は必要になります。含まれる炭水化物については以下のとおりです。

「ねこはぐ」に含まれている炭水化物は「黒米、赤米」です。それぞれの成分について下記にまとめました。

・黒米

黒米は稲の原種で古代米がありますが、そのうちの一つです。黒米の表面は黒いですが中は白色です。黒色の表皮部分にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。アントシアニンには酸化を防ぐ効果が高く、毛細血管を強くして血流を良くする働きがあります。

白米と比較しても栄養は豊富です。特に優れている点は食物繊維の含有量です。黒米100グラム当たり食物繊維は3.2グラムです。一方、白米100グラムに対して食物繊維は0.5グラムです。約6倍も食物繊維が豊富です。

・赤米

赤米も黒米同様に古代米の一種です。赤米の表面は赤味の強い茶色の皮がついており、中は白色になっています。赤色の表皮部分にはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。タンニンは緑茶にも含まれている成分です。タンニンもアントシアニン同様、酸化を防ぐ効果が高い成分です。

黒米と同様に栄養素は豊富です。食物繊維の含有量は、赤米100グラム当たり4グラムです。一方、白米の食物繊維は0.5グラムですから、約8倍も多く食物繊維が含まれています。

猫の毎日の食事であるキャットフードの原材料を吟味し、「黒米・赤米」の栄養素に着目した点は、海外産の穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードと一線を画す商品です。日本製ならではの選択です。人と同じクオリティーの無添加の商品を飼い猫に与えたいと感じる方はこのキャットフードがおすすめです。

海外の穀物フリー(グレインフリー・穀物不使用)キャットフードのおすすめ

海外の穀物フリー(グレインフリー)キャットフードにはどのような商品があるのでしょうか。海外の穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードの種類は非常に多くあります。それぞれ会社ごとに強いこだわりがあります。ここで紹介するのは以下の2つのキャットフードです。

モグニャン

キャットフード名は「モグニャン」です。原産国はイギリスであり、国際規格SAI GROBALのランクA取得工場で生産が行われています。

国際規格SAI GROBALは、国際規格の一つです。主に工場の製造ラインや機械、衛生環境に厳しい基準が設けられています。「モグニャン」の製造工場がランクAであると認められているのです。

具体的には、一度に大量生産せず少量ずつ生産を行うことで、新鮮なキャットフードを提供するやり方が徹底されています。

キャットフードの特徴は下記の4つです。

・猫の体に必要なタンパク質の原料は新鮮な白身魚

・穀物フリー(グレインフリー)の代わりにさつまいもを使用

・赤ちゃん猫からシニア猫までオールステージ対応型

・保存料には自然由来のミックストコフェロール(ビタミンE)、人工調味料・着色料の使用はない

新鮮で吟味した食材のみで作られたキャットフードです。実際の原材料は以下のとおりです。

主な炭水化物はさつまいもが使われています。さつまいもには糖質以外にビタミンB1、ビタミンC、食物繊維が含まれています。さつまいものカロリーは、50グラム当たり63キロカロリーです。一方、白米のカロリーは、50グラム当たり125キロカロリーです。

また、さつまいもは白米や小麦に比べてGI値が低いのが特徴です。GI値とは、食物を食べた後に血糖値が上昇するときに速さです。GI値が低いほど血糖値の上昇は穏やかです。さつまいものGI値は55ですが、白米のGI値は84、小麦のGI値は80です。

猫は肉食動物のため、炭水化物をたくさん消化することはできませんし、膵臓(すいぞう)も小さいという特徴があります。米や小麦はGI値が高く食べ続けることで猫の胃腸や膵臓(すいぞう)に負担をかけることになります。さつまいもは猫の体に負担をかけない炭水化物です。

また、海外の穀物フリー(グレインフリー)キャットフードには大豆以外の豆類が含まれているのが特徴です。「モグニャン」にも、エンドウ豆、ひよこ豆、レンズ豆が使用されています。この中でもエンドウ豆が原材料の3番目に表示がありますので、豆類の中では一番多く含まれています。

エンドウ豆は豆類の特徴である栄養素のタンパク質、糖質以外にβカロチン、ビタミン1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウムなど緑黄色野菜が持つ栄養も含まれているバランスの良い食材です。

原材料の食材は、すべて良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物が吟味されています。ちなみに、我が家の猫達は「モグニャン」を継続的に与えています。どの猫も魚の風味が好きらしく、喜んで食べています。白身魚やサーモンオイルなど好き嫌いの激しい猫が好む食材が豊富に含まれています。

穀物フリー(グレインフリー)でどれにしようか迷ったとき、最初に試す場合におすすめです。

アカナ グラスランド

キャットフード名は「アカナ グラスランド」です。原産国はカナダにあり、原材料の調達は地元産に限定し、原材料は放牧肉、天然魚、完熟野菜、果物を使うなどこだわりが強い商品です。

グラスランドはラム(羊)肉がベースとなっています。羊は牧草で飼育されています。広い牧草地のあるカナダならではのキャットフードです。

キャットフードの特徴は以下の5つです。

・肉とタンパク質が豊富

・肉は新鮮さにこだわり、放し飼い鶏が産み落とされた卵、放牧肉、天然魚を使用する

・栄養が蓄えられた熟した野菜、果物を使用する

・地元カナダ産にこだわり原材料を調達

・炭水化物量を制限

「アカナ グラスランド」は原材料の表示が他社のキャットフードとの違いがあります。以下が原材料一覧です。

「アカナ グラスランド」は原材料表示が、草を与えられて育った生ラム、新鮮鴨肉、新鮮全卵と続きます。一方、通常のキャットフードの場合、生ラム、鴨肉、全卵と表示されます。「アカナ」は、原材料の名詞の前に「草を与えられて育った」のように、どのような状態かを表す形容詞がついています。

また、「アカナ グラスランド」の工場は、カナダの西部に位置するアルバータ州にあります。アルバータ州は農業地帯であり、よく肥えた土地に豊かな草原や豊富な水を湛えた湖があります。つまり、地元産の原材料も調達しやすい恵まれた立地環境なのです。

炭水化物については、数種類の豆が含まれているだけです。どの豆もタンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含むものばかりです。

「アカナ グラスランド」のキャットフードは原材料だけではなく、素材がどのような状態のものかまでをこだわりたい方向けのキャットフードです。また、穀物フリー(グレインフリー)の中でもより炭水化物の少ないものを飼い猫に与えたいと考えるときにおすすめです。

ちなみに、「アカナ」には他に2種類の味があります。鶏肉がメインで作られた「アカナ ワイルドプレイリ―」と魚肉がメインで作られた「アカナ パシフィカ」があります。友人の飼い猫が「アカナシリーズ」を食べていると聞き、先日我が家も試してみました。「アカナ グラスランド」の食いつきが一番良かったです。

キャットフードを変える時の注意点

飼い猫に同じキャットフードを与え続けていると、次第にフードを食べなくなることがあります。体に良いキャットフードを選んだつもりが、食べないと飼い主は不安になるものです。このようなときの猫は、一体どのような状態なのでしょうか。

猫の状態を観察して、もし体調不良のときは早めに動物病院に連れて行った方が良いでしょう。ただ、元気そうなのに食べない場合、猫がキャットフードの味に飽きたことが原因として考えられます。猫は食べ物に飽きることが普通にあります。そのときに備え、日ごろから新しいフードを試しておくことが大事です。

新しいキャットフードを試す場合、徐々に切り替えるようにしましょう。理由は、猫の体内環境は一定に保つ働きがあるからです。猫が食べたものに急激な変化が起こった場合、元に戻そうと自動的に反応するのです。そのため、突然違うキャットフードに変更すると下痢をおこすことがあります。

ただ、この下痢はキャットフードの質が変わったことで起こる変化であり病気ではありません。飼い主は、猫の体に備わった体内を一定に保つ機能について理解しておくことが大事です。

そのため飼い主は、猫はいつも美味しそうにキャットフードを食べていても飽きるかもしれないことを予測しておいたほうが良いでしょう。そのためには、別のキャットフードをうまくローテーションし、猫がキャットフードを飽きる前に別のキャットフードを準備することで問題解決できます。

新しいキャットフードに切り替える際の手順

試してみたいキャットフードができたら、少しずつ切り替えることをおすすめします。約5日を目途に下記のような量で進めてみましょう。

・1日目 今までのフード90パーセント 新しいフード10パーセント

・2日目 今までのフード70パーセント 新しいフード30パーセント

・3日目 今までのフード50パーセント 新しいフード50パーセント

・4日目 今までのフード30パーセント 新しいフード70パーセント

・5日目 今までのフード10パーセント 新しいフード90パーセント

この切り替え時期に新しいフードのみ残すことがあった場合、以下のような工夫をしてみましょう。

・飼い主の手に新しいフードを乗せて一粒ずつ与えてみる

猫は警戒心が強い動物なので、新しいフードを食べ物と認識しないことがあります。飼い主の手に乗ったものであれば安心して食べることがあります。

・新しいフードを少し温めてみる

電子レンジで10秒加熱すると、匂いが立ちのぼります。よい匂いで猫の食欲がわくこともあります。

新しいキャットフードを試す時期は、猫の体調をよく見てから行いましょう。キャットフードをいきなり変えることは猫の体に負担をかけることになりますから根気良く行うと良いでしょう。

まとめ

猫は肉食動物です。猫が一番必要とする栄養素はタンパク質です。一方、猫は穀物を消化するのが苦手です。そのため、「穀物フリー(グレインフリー)」や「穀物不使用」と表示のあるキャットフードは猫の体に適したキャットフードです。

穀物フリー(グレインフリー)キャットフードには、さつまいもやエンドウ豆が含まれているものがほとんどです。理由は、さつまいもやエンドウ豆にはさまざまなビタミンや食物繊維がバランス良く豊富に含まれているためです。

日本製の穀物フリー(グレインフリー)キャットフードは、小麦が含まれていない小麦フリー(グルテンフリー)です。黒米や赤米が含まれており、酸化を防ぐ効果の高い原材料です。また、無添加、酸化防止剤不使用のノンオイルコーティングです。

海外産の穀物フリー(グレインフリー)にはそれぞれこだわりがあります。モグニャンのキャットフードは、原材料が新鮮で吟味され製造工場が国際規格のAランクです。また、アカナ グラスランドのキャットフードは、地元産限定で原材料を調達しています。

猫に同じキャットフードを与え続けると、味に飽きることが普通にあります。飽きる前に他のキャットフードをローテーションに加えることで問題解決できます。そのためにも、他の穀物フリー(グレインフリー)のキャットフードを試してみることをおすすめします。

新しいキャットフードを試すときは徐々に変更するようにしましょう。理由は、猫の体には体内を一定に保つ働きがあるためです。そのため、キャットフードを一気に変えることはせず、5日ほどを目安に変更しましょう。