子猫は12か月で成猫になります。このとき、子猫の成長期は3つの時期に分けることができます。これは以下のようになります。

  • 生まれてから1か月までの授乳期
  • その後1か月から2か月までの離乳期
  • 2か月から12か月までの子猫用フード期

生まれたての子猫の体重は一般的に90グラムほどですが、12か月後は約4~5キロほどの大きさに成長します。猫の一生を決める土台となる時期です。

この中でも、授乳期と離乳食期のキャットフード選びは重要です。なぜなら、この段階で十分な栄養を得ることができれば、たくましい骨格と、しなやかな筋肉を持つ、健やかな成猫になることができるからです。

そこで、まずは猫の中でも授乳期、離乳期の食事に絞って伝えます。

授乳期:生後から1か月までの期間

生まれたばかりの赤ちゃんの食事では、母猫がいる場合といない場合が考えられます。

母猫がいる場合は母乳で赤ちゃん猫を育てます。飼い主は母猫がリラックスして子育てができる環境を作り、母猫が必要とするフードをたっぷり与えてやれば良いです。

一方で母猫がいない場合、人が母猫に代わって赤ちゃん猫を育てることになります。小さく繊細な赤ちゃん猫が元気に育つためには、栄養満点のフードを正しい手順で与えることが重要です。それでは2つの場合に分けて詳しくお伝えいたします。

母猫がいる場合のキャットフード

赤ちゃん猫は母猫の母乳で充分です。生まれた直後、母猫からもらう母乳には、免疫抗体の成分が含まれています。免疫抗体のおかげで、赤ちゃん猫はさまざまな病気から体を守ることができます。

また、赤ちゃん猫の成長に必要なタンパク質と脂肪が多く含まれています。

子育て中の母猫は通常の2~3倍のカロリーを必要とします。そのため与えるフードは、子猫専用フードまたは総合栄養食と表示されたフードを選ぶと良いでしょう。

例えば、以下の2つの写真では、それぞれ子ねこ用、総合栄養食と目立つ記載があります。

また、上の写真の子ねこ用については、妊娠・授乳期用とも記載もあります。母猫にも適したフードだとわかります。

一方で総合栄養食というのは、キャットフードと水だけで、猫の成長や健康維持に必要な栄養素を過不足なく摂取できるフードのことです。

このような栄養素が詰まった食事を母猫がいつでも食べられるよう、常に用意してあげましょう。

母猫がいない場合はミルクを利用する

一方で母猫がいない場合、子猫用ミルクで代用できます。子猫用ミルクは母乳と同様に高脂肪・高タンパク質です。成長に欠かせない栄養素が過不足なく含まれているため安心です。

市販されている子猫用ミルクには、粉ミルクと液体ミルクの2種類があります。子ねこ用のミルクの栄養はどちらを選んでも特に変わりはありません。

取り扱いについては、それぞれの基準があります。その部分を良く理解し、選ぶと良いと思います。

それぞれの特徴について伝えます。

まず、粉ミルクの場合、以下のようなパッケージになります。缶の製品がほとんどです。

缶の中味は下の写真のようになっています。計量スプーンはついているため、別途購入する必要はありません。

この計量スプーンの場合、すりきり1杯は2グラムです。液体の場合は1杯4.3ミリリットルです。

子ねこへの与え方・作り方

実際にミルクを作るとき、以下のような手順になります。

1.子ねこの体重を把握する

2.体重あたりの1日の必要量は缶に記載されています

3.粉ミルクに、50度ほどのぬるま湯をかけ、かき混る。10秒ほどで完成

できあがると、以下のようなミルクになります。

ここでの注意点は、そのつど作ることです。

時間の経過でミルクは劣化します。子ねこのお腹に負荷をかけないためにも、注意してください。

一方で液体ミルクになると、以下のようなパッケージに入って売られています。開封前のミルクは常温保存できます。

液体ミルクを子ねこへ与える場合、以下のようになります。

1.子ねこの体重を把握する

2.パックに記載されている「体重あたりの1日の必要量」を計算する

3.哺乳瓶に必要量を移す

4.ミルクを38度にするため、98度のお湯に上記3の哺乳瓶を1~2分つけると完成

ここでも、粉ミルクと同様に注意点があります。パック入りのミルクは、開封後は冷蔵庫で保存してください。また、1~2日で使い切り、もし余ったら捨ててください。

冷蔵保存のミルクを子猫に与えるときは、98度のお湯に哺乳瓶を2~3分つけると良いです。

粉ミルクは、「必要な分だけ作れる」、「長期保存ができる」という点がメリットです。それに対して、液体ミルクは開封後の長期保存ができません。必要量も体重に合わせて変更になるため、読みきれない部分があります。捨てるのが嫌な方は、粉ミルクが良いです。粉の調合が面倒な方は、液体ミルクにしましょう。

ミルクを与える時の注意点

それでは、母猫に代わってミルクを与えるときの注意点にはどんなものがあるのでしょうか?

まず、母猫がいない場合、赤ちゃん猫にミルクを与える際は母乳と同様で38度ぐらいに温めたミルクを与えます。赤ちゃん猫は大変デリケートです。熱すぎると口の中をやけどしてしまいます。しかし、冷たすぎるとお腹を壊すこともあれば、体温低下になることもあります。体調不良につながります。

授乳回数は1日に6回程度に分けて与えます。時間間隔に分けると3~4時間おきとなりますが、ミルクを与える時間は厳密でなくても大丈夫です。

お腹がいっぱいであれば寝ていますから、わざわざ起こす必要はありません。目が覚めたら授乳すれば良いでしょう。一度にたくさんのミルクは飲めませんので、回数を分けて与えるようにして下さい。

ちなみに、猫に牛乳は与えてはいけません。母猫の母乳と比較すると、牛乳には3倍の乳糖が含まれています。赤ちゃん猫にはこんな大量の乳糖を分解するための酵素を持っていません。そのため牛乳を消化できず下痢をしたり、軟便になったりすることがあります。

赤ちゃん猫の胃腸に負担をかけ、栄養素が吸収できず体力消耗につながりますので気をつけましょう。

離乳期:生後1か月から2か月までの期間

赤ちゃん猫から子猫へ成長する時期が離乳期です。乳歯はおおよそ2週間目ごろから生え始め、1か月半(6週間)で生え揃います。これにあわせて離乳がはじまります。

この時期から、母猫の母乳(またはミルク)ではなく、子ねこ用フードへと移行していきます。離乳食を与えながらドライキャットフードに慣れていく時期です。また歯と顎もきたえていくのです。

子ねこの離乳食には2つのタイプがあります。ドライタイプとウェットタイプです。ドライタイプは固形型のフードです。それに対して、ウェットタイプは半生の柔らかいフードです。それぞれの特徴を比較してみましょう。

ドライタイプのフードで作る離乳食

食物を練り粒にして乾燥させたものが、ドライタイプのキャットフードです。猫が食べると「カリカリ」と音がするため、通称カリカリともいいます。

乳歯が生えそろう時期とはいえ、子猫がいきなりカリカリを食べるのは大変です。最初はお湯に浸し、ドライタイプのキャットフードをフニャフニャにして与えると良いでしょう。

お湯に浸す時間は1時間、30分、15分と少しずつ短くすれば子猫も負担なくドライフードに慣れます。

例えば、以下は20グラムのドライタイプのキャットフードに対して、50~60度のお湯を50ミリリットル入れ、15分放置したときの様子です。

このように、表面部分が水分を吸っています。

次は、30分放置したときの様子です。

先ほどに比べると、全体的に水分がなじんでいます。

さらに、1時間放置したときの様子です。

キャットフードに水分が吸収されました。粒がふくらんでいます。この状態であれば、生後1か月経過した子猫でも無理なく食べられます。

こうしたキャットフードを、離乳食として与えていきます。与える基準は以下のとおりです。

  • 生後1か月:母乳(またはミルク)
  • 生後1か月から10日後:お湯に60分浸したドライタイプのキャットフード
  • 生後1か月から20日後:お湯に30分浸したドライタイプのキャットフード
  • 生後2か月:お湯に15分浸したドライタイプのキャットフード

生後1か月~2か月の間は、キャットフードの浸す時間を「10日単位を目安に変更する」と良いです。

お湯に浸したドライフードを子猫が、食べ残した場合は捨ててください。フードが劣化するからです。また、劣化したものを食べると、子猫の体調が悪くなるかもしれません。

ドライタイプのキャットフードは、栄養バランスが良いものが多くあります。また、お湯に浸した場合はダメですが、乾燥したフードは劣化しにくいため、食べ残しても置いておけます。このような理由により、取り扱い上メリットがあるので、基本はドライフードをおススメします。

ドライタイプの特徴

  • 子猫の歯と顎を鍛えることができる。
  • 歯にカスがつきにくく研磨効果もあり口腔衛生につながる。
  • 食べ切らなかった場合もそのまま置いておくことができる。

ウェットタイプの離乳食

それに対して、ウェットタイプは、半生のほぐした魚や肉が缶・パウチに入っています。ゼリー状のプルプルとしたものや、スープが良くからんでいるものもあります。これにより、十分な水分まで取れるように工夫されています。

ウェットタイプは下記のようなフードです。

とても柔らかく、ジューシーなフードです。

子猫の食が細く食いつきが悪い場合、また体調が悪い場合はウェットタイプが良いかもしれません。しかし、ウェットタイプばかりに頼ってしまうと、柔らかく、生々しい食感を好む猫になってしまいます。ドライタイプとは食感が大きく異なります。このようなことから、通常のドライフードは食べたがらなくなります。

これを避けるため、特別な理由がない限りはドライタイプのキャットフードを離乳食に選びましょう。

ウェットタイプの特徴

  • とても食べやすいため、ウェットタイプばかりだと歯と顎を鍛えることができない。
  • 食べ物のカスが歯や歯茎に付着したままになり、口腔内の衛生面で問題あり。
  • 食べ残した場合、食後30分で捨てる。(雑菌が繁殖し食中毒を引き起こす場合あり)

離乳食を与える際の注意点

子猫が必要とするエネルギーは、1キログラム単位で成猫の2~3倍が必要です。しかし、胃袋がまだ小さいため一度にたくさんの食べ物を消化することができません。

子猫に一度に多くの食べ物を与えると、胃腸に無理がかかり消化不良や下痢になる場合があります。離乳食を与える際は1日5~6回に分けて少しづつ与えましょう。

また、食べ残した離乳食は劣化しますので、捨ててください。食事ごと、フレッシュなフードを与えるようにしましょう。

このとき、高栄養なフードを与えてください。子猫の身体(筋肉・内臓・血液・皮膚・被毛)を作るにはタンパク質が必要です。成長するためにはたくさんのエネルギーが大事です。このエネルギーの素になるのが脂肪です。良質な子猫専用フードや総合栄養食と表示のあるものを必ず選びましょう。

注意点として、人間用のベビーフードは与えてはいけません。子猫と人間では必要とする栄養素が違います。特に人間用のベビーフードには、タマネギが入っています。このタマネギは、猫にとっては中毒発生の素になる食べ物です。体に害になることは、覚えておきましょう。

例えば、以下のような人間用ベビーフードを与えると、子猫は中毒を引き起こします。

また、離乳食を手作りするのはやめましょう。子猫にとって栄養バランスの良い離乳食を作るのは難しいです。市販のキャットフードを活用することで手軽で最適なフードを与えることができます。

飼い主にとっても離乳食の手作りは負担になります。キャットフードを購入するのは、子猫にとっても飼い主にとっても合理的なのです。

離乳食を食べないときの対応について

ただ、授乳期から離乳期へいくとき、今まで母乳やミルクで育ってきていた子ねこは、離乳食を食べ物と認識していないことがあります。その際は、粉ミルクを離乳食へ少し振りかけて、風味をつけるなどの工夫をしてみましょう。

例えば、下記はドライタイプのキャットフードの離乳食にミルクを振りかけたものです。

粉ミルクにもカロリーがあるので、2グラムの計量スプーンで5分の1ぐらいを振りかけました。

子猫によって好き嫌いがあります。離乳食を食べない場合は、試しに「カリカリをお湯で浸した離乳食」、「ウェットタイプの離乳食」、「ミルクをお皿に入れたもの」の3種類を並べみましょう。子ねこに好きなフードを、選べるようにするのも方法です。

もし、ミルクを好むようなら、しばらくはミルクを飲ませるようにしましょう。その後、様子を見て再度離乳食を与えてみるようにします。あせらずゆっくり構えておけば大丈夫です。

まとめ

生まれてから2か月になる間、授乳期・離乳期があります。それぞれの時期で子猫に与えるべき食事が異なります。

まず授乳期に母猫がいる場合は母乳で育ちます。母猫へは十分な栄養がとれるフードを与えましょう。適したフードは、子猫用フードまたは総合栄養食と表示のあるものです。

母猫がいない場合、粉ミルクか液体ミルクで代用します。粉ミルクは、まとめて作りおきすることはできません。液体ミルクは開封後は冷蔵庫で保管してください。そのつど新鮮なミルクを与える必要があります。冷蔵保管であるため、ミルクが冷たいときは38度に温めることも重要です。

ただ、1か月が経過して離乳期になると、柔らかい食べ物を与えます。ドライタイプはお湯に浸せば離乳食になります。ウェットタイプはすでに柔らかくできています。1日に5~6回に分けて与えますが、食べ残したフードは捨ててください。食事ごとに新しい離乳食にしてください。

生まれてから1年が猫にとっての成長期です。そのうちの授乳期、離乳期は身体が作られる特に大切な時期です。身体は食事で作られます。健康で幸せな一生を過ごせるよう、最適な栄養を含むフードを与えてあげましょう。