我が家の長老猫(21歳)が先日の健康診断で、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんこうきのうこうしんしょう)と慢性腎不全(まんせいじんふぜん)を併発していることがわかりました。猫の21歳は人間でいうところの100歳となり、相当に高齢です。

とはいえ、早期発見だったようで、すぐ治療することができ、状態は安定しています。

甲状腺機能亢進症と慢性腎不全は、どちらも高齢猫になれば心配な病気です。また、両方の病気は、同時にかかっていることが多い病気です。

高齢になれば、どちらの病気もかかってしまうのは仕方がないともいえますが、うちの猫のように、初期の段階であれば、クスリと食事療法(しょくじりょうほう)で、問題なく過ごすことができます。

どんな猫も、15歳以上の高齢猫になれば、なにかしらの病気が見つかることもあるでしょう。高齢猫であれば、甲状腺や腎臓の病気かかるのは良くあることです。

しかし、どんな場合でも、体調にあったキャットフードを選んであげることで、飼い猫がつらい思いをせずに、治療をすることができます。

我が家の猫も甲状腺機能亢進症や慢性腎不全にかかっていますが、適したキャットフードを見つけてあげることで、病気の進行もゆっくりになり、元気に過ごしています。

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)の症状とは?

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)は、13歳以上の猫の約2割がかかる腎臓の病気です。腎臓は、身体の中の要らなくなった物質をろ過して、身体の外に尿として排出する機能があります。そして、この働きをスムーズに行うためには、たっぷりの水分が必要となります。

若い猫は、体内の水分率も多く、身体の中の老廃物(ろうはいぶつ)をスムーズに排出できていますが、加齢が進むと身体の中の水分も徐々に少なくなります。水分が少ないと、腎臓の中に老廃物が溜まったままの状態が続き、負担になります。

たっぷりの水分を摂ることが大事になりますが、猫は習慣的にガブガブ水を飲むこともないため、腎臓に負担がかかる生活を続けてしまうことになります。慢性腎不全というのは、腎臓の機能が66%以上失われたイエローカードの状態となります。

腎臓はなかなか症状が見えにくい臓器ですが、「水をたくさん飲むようになった」「おしっこの量が多くなった」という慢性腎不全で最も代表的な症状も見られるようになります。

10歳を過ぎたあたりから、猫がどのくらい水を飲んでいるのかを気にしておくと、慢性腎不全を早く見つけることができます。

以下は猫が慢性腎不全になった際の症状です。

腎臓機能が66%以上失われた際の症状

  • 水をたくさん飲む(チロチロと水をなめるのではなく、ガブガブと水を大量に飲むようになった)
  • おしっこの量が増える(薄い色のおしっこを何回もするようになった)

〈水を飲む量が多い?慢性腎不全を疑う目安〉

体重 1日の飲む水の量
3㎏ 240ml以上
4㎏ 320ml以上
5㎏ 400ml以上
6kg 480ml以上

水の飲む量やおしっこの色の変化は、毎日の世話でなんとなく気づきます。また、慢性腎不全かどうかは、年に1~2回の血液検査で腎臓の働き具合を確認する数値であるクレアチニンや尿素窒素(にょうそちっそ)で確認しましょう。

甲状腺機能亢進症の症状とは?

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうそくしんしょう)とは、甲状腺ホルモンの病気です。甲状腺ホルモンという身体を正常に働かせるためのホルモンが必要以上に分泌されすぎる病気です。そのため、身体の細胞が活発に働き過ぎて、身体のあらゆる部分に負担がかさなってしまいます。

なぜ甲状腺ホルモンの分泌が多くなるのかの原因については、現時点ではわかりませんが、主に10歳以上の猫がかかる病気です。

甲状腺機能促進症の症状はいろいろですが、わかりやすいものとしては「よく食べているのに、痩せてくる」という症状でしょう。

我が家の2匹の猫が甲状腺機能亢進症ですが、どちらも体重が痩せておかしいなと感じたのが病気を発見するきっかけとなりました。

10歳以上のシニア猫~高齢猫が、最近よくごはんをおねだりするようになったなと感じているのに、身体が痩せてきたら、甲状腺機能亢進症を疑った方が良いでしょう。

甲状腺機能亢進症は、痩せてきた以外にも特徴的な症状があります。以下に、詳しく説明します。

初期の甲状腺機能亢進症になった際の症状

  • たくさん食べているにも関わらず痩せてきた(同じ量の食事を食べているのに痩せてきた)
  • 水をたくさん飲む
  • おしっこの量が増える

甲状腺機能亢進症になると代謝が活発になるため、食べても栄養として吸収される前に排せつされてしまいます。そのため、キャットフードを食べている割に痩せてくるという症状が目立つ特徴です。

しかし、食欲については、個体差があります。極端に食欲が増すばかりでないこともあるでしょう。しかし、「最近痩せてきたな」と感じたら異常のサインです。日ごろから、小まめに体重チェックをしておき、2~3か月という短期間で10%以上の体重の減少が見られたら甲状腺機能促進症の可能性があります。

我が家の21歳の猫の体重は3㎏ですが、食欲が同じままで2.8㎏に体重が減少してしまい、甲状腺機能亢進症の検査を受けました。

甲状腺機能亢進症の検査は、血液中の甲状腺ホルモン(T4)の量を測定します。T4 の標準値は0.6~3.9㎍/㎗に対して、我が家の猫のT4は、5.41㎍/㎗でした。

以下が我が家の猫の血液検査の結果です。

猫が2~3か月という短期間で10%以上も体重が減るのはあまり見られません。見た目は元気だったとしても、体重減少の陰に、甲状腺機能亢進症という病気が隠れているかもしれません。次に、甲状腺機能亢進症のその他の症状について以下にお話します。

甲状腺機能亢進症になった際の様々な症状

  • 妙に活発、落ち着きがない
  • 鳴いて走り回る
  • 攻撃的
  • 下痢
  • 毛づやがない(ぱさぱさしている)
  • 爪が厚くなってきた
  • 冷たい場所で寝ている
  • よく吐く

これらの症状は猫の個体差があるため、すべて見られるわけではありません。「鳴いて走り回る」「攻撃的」などは、我が家の猫ではあまり見られない症状でした。もともと、性格が穏やかな猫であれば、目だって攻撃的になったり、落ち着きが無くなるというものはなさそうです。

しかし、甲状腺機能促進症も放置したままの状態が続けば、下痢や嘔吐(おうと)などの症状が見られたり、栄養の不足から毛のツヤが失われたりします。

さらに、全身の代謝が活発になり過ぎることで、心臓への負担が増し、心臓が大きくなる心肥大や心臓の機能に支障があることを知らせる心雑音を発症することになります。

このような状態が続けば、突然死というリスクもあり得るでしょう。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態は、猫にとってもツライ状態です。早めに病気を見つけてあげるようにしましょう。

慢性腎不全と甲状腺機能亢進症はどちらも高齢猫がかかりやすい病気です。我が家の21歳の猫のように超高齢猫になってくると、どちらの病気も発症することも珍しくはありません。

さて、慢性腎不全と甲状腺機能亢進症という二つの病気になったため、日々の食事を見直す必要があります。今までドライタイプのキャットフードを食べてきましたが、水分をしっかり摂取してもらうために、ウェットフードを取り入れることにしました。

以下は、我が家の21歳の猫が好む療養食(りょうようしょく)キャットフードです。

慢性腎不全と甲状腺機能亢進症を併発した際のおすすめキャットフード

ロイヤルカナン 腎臓サポート

ロイヤルカナンは犬や猫についての独自の研究所を持っているフランスのペットフードの会社です。さまざまな種類のフードを販売していますが、病気専用のキャットフードの種類は豊富です。

猫にありがちな慢性腎不全ということもあり、ロイヤルカナンでは、数種類の腎臓病用の療法食がつくられています。このため、猫が途中から飽きて食べなくなったとしても、別の味のキャットフードを与えることができます。

以下は、我が家の猫が食べている「腎臓サポート」のパッケージです。

中身の粒は以下の通りです。

粒は、直径1㎝程の平たい形になっています。猫にとって食べやすい形状になっています。ロイヤルカナンのキャットフードは、香ばしい香りが特徴で、猫の食いつきは良いといえます。

獣医師から、「腎臓サポートはミネラル成分のリンが制限されているため、猫にとっては美味し感じられず食いつきが悪い場合もある」と聞いていました。

我が家の猫は、香りに敏感ですが、味は関係ないらしく、好き嫌いをせず、最初から食べてくれました。

この腎臓サポートはロイヤルカナンの数種類あるうちの慢性腎不全用の療法食の中で、一番ミネラル成分のリンの含有量が抑えられたキャットフードです。猫が食べ飽きしないようであれば、このキャットフードを基本に与えるものとして準備してあげるのがよいでしょう。
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ロイヤルカナン 腎臓サポートスペシャル

同じロイヤルカナンから販売されている「腎臓サポートスペシャル」です。

パッケージは以下の通りです。水色のラインが特徴です。

中身の粒は以下の通りです。

先に紹介した腎臓サポートは平たい丸型ですが、腎臓サポートスペシャルは平たい三角型です。口に含んだ際の形の違いで、食べ飽きを避け、新鮮に食感を楽しむことができます。

こちらのキャットフードも、猫の好む香りづけがされているため、食い付きはとても良好です。

先に紹介した「腎臓サポート」「腎臓サポートスペシャル」のキャットフードの違いは以下のとおりです。

タンパク質の含有量 ミネラル成分のリンの含有量
腎臓サポート 23.4g 0.31g
腎臓サポートスペシャル 26.4g 0.45g

大きな差はないですが、腎臓サポートの方がタンパク質やミネラル成分のリンの含まれている量は少ないです。

タンパク質やリンは、腎臓に負担をかける成分です。そのため、慢性腎不全の療養食は、タンパク質、リンが制限されています。どちらでも、あなたの猫が好む方を食べさせてあげましょう。

ドライタイプのキャットフードは、水分量が10%以下となるため、我が家の21歳の高齢猫であれば、水分不足になります。そのため、ウェットフードも与えるようにすると、腎臓をよりいたわることができます。
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ヒルズスペシフィック特別療法食 腎臓ケアk/d(チキン&野菜入りシチュー)

慢性腎不全になってくると、平常時よりもおしっこの量が増えます。そのため、猫が慢性腎不全になると脱水ぎみになってしまいます。そうなると、腸内に水分が不足し、猫は便秘ぎみになってしまいます。乾燥したコロコロとしたウンチをよく目にするようになるでしょう。

先に紹介したドライタイプのキャットフードだけを与えていると、便通が悪くなる可能性があります。そうならないためには、一食はウェットフードを与えるようにするのが良いでしょう。ウェットフードの70%は水分でできており、ウンチが水分不足で硬くなるのを防ぎます。

ロイヤルカナンにも、腎臓病のウェットフードはありますが、我が家の猫はヒルズの方がお気に入りです。

ヒルズはアメリカのペットフード会社です。ロイヤルカナンと同じく独自の研究所を持っており、多数の療法食を開発し販売しています。腎臓用は、ツナ味・チキン味の2種類があります。

腎臓ケア用(チキン味)の療法食のパッケージは以下のとおりです。

中身は以下のようになっています。

とろみのある柔らかいフードで食べやすく作られています。シチュータイプということもあり、ゴロっとした塊の肉片も入っています。スープと食べ物のバランスの良さが、食べる楽しみを感じる仕掛けになっています。

小さい缶なので、1食分としてはちょうど良いぐらいの量です。

ウェットフードは、劣化が早いため、1食で食べきるぐらいの大きさのものが適しています。もし、20分~30分以上放置するようであれば、もったいないですが捨ててしまった方がよいでしょう。

一回で食べきれない可能性があるときは、2~3回にわけて、少しずつ与えるようにしましょう。余ったウェットフードは、冷蔵庫で保存し、翌日中には食べきるようにしましょう。
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スペシフィック 猫用腎臓用FKW

ウェットフードには、先に紹介したシチュータイプ以外にもいろんな食感のものがあります。シチュータイプは、肉や野菜の形がゴロっとしているのが特徴ですが、食感が滑らかなタイプのものもあります。

以下のウェットフードは、スペシフィックというデンマークのフードです。新鮮な魚が多く獲れるデンマークならではのキャットフードです。

パッケージは以下の通りです。

中身は、以下の通りです。

ヒルズのシチュータイプに対し、スペシフィックは、滑らかなパテタイプのキャットフードです。柔らかい舌触りと、魚独特の匂いが強烈で、魚派の猫の食いつきは抜群です。

血液をサラサラにし、身体をサビさせない成分のEPA・DHAが豊富に含まれる青魚が原料になっています。

慢性腎不全になってしまったら、食べるものも限定的になってしまうから可哀そうと思っていました。実際のところ、慢性腎不全の専用食は、各社いろんなタイプのものがあります。食べ飽きで食べるものがなくなるかもという心配はなさそうです。

慢性腎不全になると、おしっこの量が増え、身体の中の水分量が不足しがちになります。ドライタイプのキャットフードだけでは、水分がとれないため、水分の多いウェットフードを合わせて与える方がより腎臓をいたわることになります。
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21歳の高齢猫の治療経過について

慢性腎不全と甲状腺機能亢進症と診断されて1年が経過しました。甲状腺機能亢進症はメルカゾールというクスリ(1日半錠)で治療しています。

実際のクスリは以下のとおりです。

慢性腎不全は、先ほど紹介したキャットフードのみの治療です。最近は、ドライタイプのキャットフードよりもウェットフードが中心になっています。

最近の血液検査の結果は以下のとおりです。

尿素窒素(にょうそちっそ)とクレアチニンは、腎臓機能の状態をあらわす数値です。標準値と比べるとやや高めですが、21歳という年齢を考えると、このくらいで維持できれば上々だと獣医師からは言われています。

甲状腺機能亢進症については、甲状腺ホルモン(T4)の数値で状態を確認します。以前の5.41μg/㎗と比較すると、3.5μg/㎗まで改善しました。体重も3キロぐらいで維持できています。

ときには、2.8キロぐらいまで体重が減少することがあります。そんなときはT4の数値で甲状腺ホルモンの分泌ぐあいを確認します。案の定、数値は5.5μg/㎗ぐらいまで上昇しています。

1日半錠で足りないときは1日1錠に増やしたりしながら、様子をみるようにしています。今のところは、安定した状態が維持できているように思います。これからもしっかり水分を摂ることができるキャットフードを中心に、体調管理をしていくつもりです。

まとめ

慢性腎不全と甲状腺機能亢進症になってしまった場合、毎日の食事は、腎臓病用の療法食を選ぶとよいです。

腎臓病の療法食は、タンパク質の量やミネラルのリンの量が少ないのが特徴です。どの療法食も猫が好む香、味になっているため、とても食いつきが良いものばかりです。あなたの猫が好む味、形のものを探して、与えてあげましょう。

キャットフードを選ぶ際は、ドライタイプのキャットフード、ウェットタイプのキャットフードの両方を選んであげましょう。

腎臓の働きを助けるためには、水分をたっぷり摂ることが鍵です。ウェットフードは70%が水分でできています。栄養の消化吸収も良く、慢性腎不全にありがちな便秘も防ぐことができます。