世の中にはさまざまなキャットフードが販売されています。飼い主がキャットフードを選ぶ基準はそれぞれですが、飼い猫の健康を考えて、体に良い原材料のキャットフードを食べさせたいと考えるのが一般的です。
その際、「オーガニック」「無添加」という言葉の付いたキャットフードに目が行きます。その理由は、オーガニックや無添加と記載のある食べ物には、健康になる食べ物、安心感のある食べ物というイメージが無意識に想起されるからです。
ただ、オーガニックや無添加については、体に優しいというイメージが先行しているだけで、意味を理解していない人が多いです。実際のところ、オーガニックや無添加食品とはどのような食べ物で、どのような違いがあるのか良く知る必要があります。
猫にとって毎日の食事であるキャットフードはとても大事です。体に優しそうなというイメージだけでキャットフードを選ぶよりも、オーガニックキャットフードと無添加キャットフードの個々の違いを理解して選ぶ方が、より愛猫にあったものを選ぶことができます。
今回は、オーガニックと無添加の違いについて、それぞれのキャットフードを比較しながらお話しします。
もくじ
オーガニックについて
オーガニックとは、有機農産物およびその加工品のことを言います。有機農業とは、化学肥料や農薬を使わずに、たい肥で育てられた作物のことをいいます。たい肥は、微生物の力で家畜の糞や生ごみを完全に分解した肥料のことです。オーガニックには、たい肥を用いた栽培方法の他に、化学肥料や殺虫剤を使わないという意味でも使われています。
世界各国にはさまざまなオーガニック認定機関があります。その機関が定める一定基準を満たしたものだけがオーガニック(有機)と表示することを認められます。主な認定基準は以下の4つです。
- 3年以上農薬、化学肥料を使用していない農場で栽培されたもの
- オーガニックの条件を満たした原料で、添加物を使わず作られた加工品
- 畜産物はオーガニック農産物の飼料によって飼育され、抗生物質、ホルモン剤を使用していないもの
- 栽培、加工、流通などの段階で、認証機関など第三者によるチェックが行われていること
オーガニック食品とは、農薬、抗生物質、成長ホルモン、合成添加物、保存料を使用せず栽培または加工されたものです。身体に有害なものが含まれていないため、安心して食べることができます。
オーガニックキャットフードのおすすめ
キャットフードの中にもオーガニックと付くものはたくさんあります。それらのキャットフードの違いは、原材料に使われているオーガニックの比率です。原材料のほとんどがオーガニックのものもあれば、原材料の一部のみがオーガニックのものもあります。ここでは、原材料のオーガニック比率が最も高いキャットフード「ヤラ―」について紹介します。
「ヤラ―」はオランダ製のキャットフードです。パッケージは以下の通りです。
ヤラ―のドライキャットフードは3種類の味(フィッシュ、チキン、グレインフリー)があります。上記のパッケージはグレインフリーのタイプです。
ヤラ―について
ヤラ―の創業者は、ロエルビンク氏です。ビンク氏は犬「ダノ」を飼っていましたが、成長するにつれ、皮膚疾患に悩まされるようになりました。ダノの皮膚疾患を治すために動物病院をいくつも渡り歩きましたが、完治には至らず思い悩むようになります。
ビンク氏は、動物病院でダノに薬を処方してもらいました。ダノは、薬を飲むと症状は良くなりますが、投薬を止めると、すぐに症状が再発してしまいます。そこで、ビンク氏は、さまざまな調査を行い、ペットフードの原料や原料に含まれる添加物が皮膚疾患の原因であることを突き止めます。
ビンク氏は、第三者機関が厳正に審査を行うオーガニックペットフードを作ることを決意します。原材料の質を吟味することで、ペットの体に良いペットフードをつくろうと考えたのです。このような経緯から、ヨーロッパで最初のオーガニックペットフードの会社ヤラ―が誕生しました。
現在に至っては、ヤラ―のペットフードの品質が信頼されているため、ヨーロッパでは、オーガニックペットフードのシェアナンバーワンにまで成長しています。それでは、ヤラ―のキャットフードの原材料について見ていきましょう。実際のものは以下の通りです
赤枠部分に「96%オーガニック認定材料」と表示されています。原材料を確認すると、鶏肉から海藻までの7品目がオーガニック認定材料です。オーガニックのキャットフードには、上記のように原材料のほとんどの食品がオーガニックになっているものもあれば、原材料比率の多い鶏肉のみがオーガニックというものもあります。
では、実際のキャットフードの形、猫の食いつきなどについてお話します。
まず、キャットフードの粒は以下の通りです。
実際のキャットフードは、直径8ミリから10ミリの平たい形をしています。匂いは、人間の臭覚では、よい匂いとはいえません。原材料が混ざり合った匂いがします。ただ、猫にとっては好む匂いのようです。試しに2、3粒与えてみたところ、どの猫も鼻をクンクン鳴らしながら、あっという間に食べてしましました。
猫は、どんなに最初の食いつきが良くても、すぐに食べなくなる場合があります。しかし、しばらく与え続けていますが、飽きることはなく、食べ残すことはありません。素材の良いモノに対して猫はとても敏感です。あらためて、ヤラ―の品質の良さを実感しました。
やはり、原材料の大部分がオーガニックであることと、酸化防止剤がローズマリー抽出物とビタミンEで自然由来のものであることが、猫が好む理由として考えられます。飼い主にとっても、猫が自然に近い原材料で作られた栄養価の高いキャットフードを食べてくれるのは安心です。
ただ、価格は800gあたり3,218円と高めです。原材料にこだわったキャットフードは他にもいろいろありますが、平均価格は800gあたり2,000円程度なので、ヤラ―の値段は1.6倍になります。我が家では、いつものキャットフードにトッピングするという使い方をしています。
何よりも品質重視で、飼い猫の好き嫌いを払しょくする食いつきの良いキャットフードを探しているあなたにおすすめのキャットフードです。
無添加について
無添加とは、添加物が加わっていないことです。この添加物というのは、食品添加物のことをいい、食品を製造する際に添加する物質のことです。主なものは、下記の3つがあります。
・食品製造や加工に必要な製造用剤
例)豆腐を固めるためのにがり、小麦から麺を作る時に加えるかんすい等
・食品の風味や外観や色あいを良くするためのもの
例)甘味料、着色料、香料
上記の中の着色料は、キャットフードで使用されていることがあります。具体的には、赤色102号・黄色5号、青色1号で、合成されたタール色素です。
・食品の腐敗・変質を遅らせる保存料
例)保存料、酸化防止剤
酸化した食べ物を摂取すると、体の細胞が錆びつきます。酸化した食品を食べ続けることで、細胞の働きが鈍り、老化が加速したり、病気を引き起こしたりします。そのため、食品をフレッシュに保つ酸化防止剤は、キャットフードにとっては大事な食品添加物です。
キャットフードに含まれている酸化防止剤については、2種類(自然派由来・化学合成されたもの)あります。自然由来のものには、ローズマリー抽出物やビタミンE(トコフェロール)があります。一方、合成酸化防止剤には、BHAや没食子酸(もっしょくさん)プロピル があります。
BHAや没食子酸プロピルは、合成の酸化防止剤といっても安全性は保証されています。その理由として、人間用の食品(油脂、バター、魚介類の加工品)の内、脂肪分が多く含まれているものが使用されているからです。
ただ、合成酸化防止剤の安全性が確認されているとはいえ、そのようなキャットフードを飼い猫に与えたくないと感じる飼い主は多いはずです。飼い猫が毎日食べるものだからこそ「無添加」にこだわりたいのであれば、ローズマリー抽出物やビタミンE(トコフェロール)が含まれたキャットフードがおすすめです。
キャットフードの無添加とは
世の中には、食品添加物が多数あります。添加物には、自然由来のもの、化学合成されたものなどいろいろです。食品を製造する過程において、必要に応じて使い分けされています。
もし、キャットフードで「無添加」のものを与えたい場合でも、キャットフードを新鮮に保つための酸化防止剤は必要です。なぜなら、酸化した食べ物を食べると、体の老化や内臓への悪影響があるからです。「無添加」にこだわりたいときは、自然由来の酸化防止剤が使われているタイプを探すと良いでしょう。
一方、見た目をよくする目的で使われる着色料は、人間ほど色彩を認識できない猫にとっては必要のない添加物です。着色料の含まれたキャットフードは極力与えない方が良いでしょう。
通常、無添加のキャットフードには、「酸化防止剤無添加」「合成保存料無添加」「合成着色料無添加」などの表示があります。具体的にどんな添加物がキャットフードに含まれていないのかを知らせるため、〇〇〇無添加という表現になります。
飼い猫に与えるキャットフードを考えるときは、何を無添加にしたいのかを考え、その目的にあったキャットフードを選ぶことが大事です。
無添加キャットフードのおすすめ
酸化防止剤等の添加物が不使用の国産キャットフード「ねこはぐ」は以下の通りです。
ねこはぐは原材料にこだわったキャットフードです。主な原材料(鶏、野菜、雑穀、かつお節)は全て国産の食材です。また、人が食べるレベルと比較しても同等のもの(ヒューマングレード)の素材を使っています。
キャットフードの粒は以下の通りです。
キャットフードの粒は、直径7ミリほどで薄く作られています。他のキャットフードと比較しても小さい印象を受けます。封を開けると、鰹節がフワッと香ります。出汁(だし)の香りなので人間にとっては好む匂いです。そのため、さぞ猫達も喜んで食べるだろうと思い、試しに2、3粒与えてみたところ、どの猫も食べませんでした。
人間と猫の嗅覚や好みは違います。実際、猫の嗅覚は人間の20万~30万倍もあるため、人間基準でキャットフードを選ぶべきではありません。
ねこはぐは通常のキャットフードとは異なる匂いだったため、警戒心が働いたようです。このような場合の対処方法は以下の通りです。
・警戒心を解くために、飼い主の手に乗せ、猫の口元へもっていく
・猫は生温かい食べ物を好むため、20秒ほど電子レンジで温めて与える
上記の方法を試しても直ぐには食べませんでしたが、根気よく1週間ほど続けると、少しずつ食べ始めました。実際のところ、品質の良いキャットフードを吟味しても、猫の好みは複雑で、人間の一般的な感覚を押し付ける訳にはいかないものだと感じます。
ただ、どんな場合でも焦らず対応すると、徐々に慣れて食べるようになります。
酸化防止剤等の添加物不使用について
ねこはぐは、酸化防止剤が含まれていないキャットフードです。そのため、原材料には酸化しやすい油が含まれていないノンオイルコーティングになっています。大変細かいところまで配慮されているキャットフードです。
ただ、キャットフードを開封した後は、空気に触れることになるため、どうしても徐々に酸化が進みます。保存場所に十分配慮し、なるべく早く食べ切るようにしましょう。
ちなみに、我が家のキャットフードは以下のフードストッカーで保存しています。
このフードストッカーはフタの裏に除湿剤を備え付けることができ、とても便利なためおすすめです。
大きさは、横幅25㎝×奥行34.5㎝×高さ31.3㎝です。キャットフードを袋から出して直接入れるときは、4㎏まで入りますが、袋のまま上記写真のように保存する場合、1.5㎏のものが2袋まで入ります。赤丸部分に除湿剤をセットします。
除湿剤は以下のように別に販売されています。
新しい除湿剤は白くて硬いですが、2~3か月経過すると、空気中の水分を吸い柔らかくなり、色は茶色くなります。以下の写真のようになれば交換時期です。
どんなキャットフードも保存するときはフードストッカーで保存をした方が良いですが、特に酸化防止剤が含まれていないタイプのキャットフードは、フードストッカーで保存するようにしましょう。
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酸化防止剤不使用の「ねこはぐ」は、1.5㎏あたり6,980円です。800gあたりでは約3,700円になります。
初回は43%オフの3,980円で試すことができ、継続する場合、1,000円オフの割引価格で購入できます。飼い猫が酸化防止剤などのアレルギーがある場合、飼い猫には国産で自然の食事に近いタイプのキャットフードを与えたいと感じている方にはおすすめです。
まとめ
オーガニックは、化学肥料や農薬を使わずにたい肥で育てられた作物をいいます。オーガニックには認定基準があります。そのため、オーガニックと表示の商品は、客観的な安全性・信頼性が保証されます。
オーガニックのキャットフードでおすすめのものは、「ヤラ―」です。グレインフリーのタイプは96%の原材料がオーガニックです。原材料のオーガニック比率が一番高いキャットフードです。
食品添加物には、自然由来のものと合成化学添加物を含めて多くの種類があります。そのため、無添加だけの表示では、どんな食品添加物が含まれていないのかわかりません。そのため「〇〇無添加」という表示になっています。
酸化防止剤などの添加物が含まれていない無添加キャットフードでおすすめのものは、「ねこはぐ」です。無添加以外にも良質な国産の原材料のみを使用するなど、トコトン品質にこだわったキャットフードです。
全てのキャットフードを保存する際、棚や引き出しに保存するよりは、密閉性の高いフードストッカーを使った方が良いでしょう。特に酸化防止剤が含まれていないキャットフードを選びたいのであれば、保存する場所には気を配りましょう。
オーガニックと無添加のキャットフードを比較すると、それぞれ特徴があります。猫の好み、猫の体調に合わせて合ったものを与えることが猫の健康にとっても良い事です。