猫は尿トラブルを引き起こすことが多くあり、その中でも特に多いのは尿結石です。その次に多い尿トラブルは膀胱炎です。膀胱炎は、尿道から入った細菌が膀胱へ入り込んで炎症を引き起こします。

メス猫の方がオス猫よりも尿道が短く、膀胱に細菌が入り込みやすいためかかりやすいです。我が家でも、当時16歳のメス猫が罹りました。

膀胱炎はおしっこが出ないため、とてもつらい症状です。日ごろから予防することが大切です。今回の記事は、あなたの飼い猫が膀胱炎にかからないための、生活環境作りやキャットフードなどについてお話します。

いつ発症するかわからない膀胱炎ですが、日ごろから飼い主が気を付けることで、膀胱炎を予防することは可能です。我が家でも、飼い猫が膀胱炎にならないよう生活環境や食事に気を配っています。その甲斐あってか、最近では膀胱炎を患うことはなくなりました。

この記事を読めば、あなたの猫も膀胱炎になるのを予防できます。

我が家の猫が膀胱炎を発症したときの様子

我が家の19歳のメス猫は、3年前に膀胱炎になりました。最初は、トイレに入ったり出たりを繰り返していました。どうしたのかな?と不思議に思っていたところ、尿道口を舐めたり、場所かまわずおしっこをするような仕草をしていたので、慌てて病院に連れて行きました。

病院では、おしっこを採って検査をしてもらい、膀胱炎になっていることが分かりました。猫が膀胱炎になったのはその時が初めてでしたが、症状は明らかにおかしいと感じるものでした。おしっこに関わる病気は、手遅れになると命の危険が伴います。

猫の様子がおかしいなと感じたら、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。以下に膀胱炎の症状について詳しくお話します。

膀胱炎の症状とは

膀胱炎の症状には以下のようなものがあります。

  • ひんぱんにトイレに行く
  • おしっこがすぐ出ず、いきんでいる
  • 尿道口を舐める
  • トイレではない場所でも、尿意を感じておしっこをする姿勢をする
  • お腹を触られるのを嫌がる(痛そう)

人間の場合でも膀胱炎の代表的な症状が頻尿(ひんにょう)です。おしっこがすっきり出ないため、残尿感があります。尿意があるため何回もトイレに行きます。思ったほどおしっこが出ないため不快な状態が続きます。

猫も人間と同じように膀胱炎の不快な症状を何とか治そうと、トイレに何度も入ったり出たりを繰り返します。

膀胱炎の原因と予防方法

膀胱炎の原因は特定しにくいですが、以下のようなことが原因として疑われます。

  • 細菌の感染による
  • 免疫力が落ちたため
  • ストレスを感じた
  • トイレが汚い

膀胱炎は膀胱内に細菌やウィルスが侵入することで起こります。特にメス猫は尿道と膀胱の距離が短いため、発症しやすいです。我が家でもオス猫よりも、メス猫が罹りやすいように感じます。

細菌やウィルスが侵入する原因は、高齢猫になり身体の免疫力が衰えるためです。また、寒い時期は水を飲む量が少なくなり、おしっこをする回数が減るため、膀胱内の細菌が多くなり引き起こされます。

では、次に猫が膀胱炎を発症するのを予防するための3つの方法についてお話をします。

猫のストレスに配慮する

猫はとてもきれい好きです。そのため、トイレが汚れているとストレスを感じることがあり、おしっこを我慢してしまいます。トイレはいつも清潔に保ち、猫が気持ちよくおしっこを出来るようにしておきましょう。

我が家は、朝と夕方の2回トイレをチェックし、汚れていたらすぐ掃除します。トイレも1週間に一回は綺麗に洗うようにしています。

また、トイレの数は、必ず猫の頭数+1個のトイレを準備するようにしましょう。猫はテリトリー意識が強く、おしっこの臭いが混じるのを嫌う場合があります。トイレが少ないと、他の猫の臭いが気になり、おしっこを我慢してしまいます。

猫が気持ちよくトイレを使うことができるよう、トイレは多めに準備することが重要です。ちなみに、我が家は5匹の猫がいるため、合計6個のトイレを準備してあります。

また、トイレの置き場所も注意が必要です。トイレをする際、猫は無防備な状態になります。人の目につくことや、騒がしい場所ではゆっくり用を足すことができません。なるべくなら、家の中でも静かで人があまり来ない場所にトイレを置いてあげるよう工夫しましょう。

ちあみに、我が家のトイレは、全て2階に置いてあります。以下がその写真です。

いつでも水を飲めるようにする

膀胱炎を予防する方法としては、水をたっぷり飲むことが重要です。猫のルーツは砂漠ということもあり、猫の身体は水分をあまり摂らなくても生活できるように出来ています。

あくまでも水分を摂らなくても生活できますが、水分が不要という訳ではありません。猫も人間と同じく身体の70%以上が水分で出来ています。そのため、身体の水分量が不足すると健康上様々な問題が出てくるのです。

膀胱炎などは、猫が水分の摂取が少ないために、身体の中のウィルスや菌が膀胱内に侵入した際に、おしっこをどんどん出してウィルスや菌を洗い流すことが出来ないため発症します。

あなたの猫が日ごろからしっかり水分を摂り、おしっこを出す習慣をつけることが重要になります。

猫が野生で生活しているときは、葉っぱの露を舐めたり、獲物の血液などで水分補給をしています。水をゴクゴク飲むことはあまりしません。ウチの猫があまり水分を飲まないという悩みを持つ飼い主は多いです。

では、実際のところ猫に水を飲んでもらうにはどうすればよいのでしょうか。

まずは、猫の活動する導線上の3~4か所に水を置いておくようにしましょう。そして水は常に清潔なものを準備してあげましょう。水にほこりが浮いていたりするときれい好きな猫は嫌がってのみません。朝、晩の2回は水を入れ替えるようにしてあげましょう。

猫はとても好奇心が旺盛な性格をもっています。そのため、以下のような流水で気を引くようにするのも良いでしょう。

水分補給という点では、猫のおやつのちゅーるも有効です。ちゅーるは以下の通りです。

中身は以下の通りです。

ほとんど水分でできたおやつです。猫の好きなマグロ味、とりささみ味、カツオ味などがあります。大概の猫はすんなり食べてくれます。あなたの猫がなかなか水を飲んでくれないようであれば、ちゅーるを活用してみるのも良いです。

腸内環境を整える

あなたの猫が膀胱炎になってしまった場合、原因として細菌感染に対しての免疫力が低下していることが考えられます。便秘になると、腸内は大腸菌(だいちょうきん)のような悪玉菌が多く繁殖(はんしょく)します。

腸の働きは食べ物を消化吸収することと、病気のもとになる菌から身体を守る免疫機能(めんえききのう)です。身体の免疫機能の7割が腸管に存在するため、腸内環境が悪化すると免疫力が低下してしまうのです。

便秘の原因は、腸内の菌のバランスが崩れるために起こります。理想的な菌のバランスは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7です。もし、あなたの猫のウンチがとても臭かったり、水分のないコロコロしたものだったりするようなら便秘になっているのかもしれません。

我が家の猫も膀胱炎を起こしたあたりから、便秘の症状に悩まされていました。便秘になる原因はさまざまあるため、直ぐに改善するものではありませんが、乳酸菌(にゅうさんきん)などの善玉菌が入ったキャットフードや、乳酸菌のエサとなる植物繊維やオリゴ糖が入ったキャットフードを選んであげることが大切です。

植物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。

水溶性食物繊維が含まれる食べ物には、リンゴや海藻、大豆、さつまいもなどがあります。水溶性食物繊維は、善玉菌である乳酸菌のエサになり、腸内の乳酸菌を増やし腸内環境を改善することで便秘を防ぎます。

一方、不溶性食物繊が含まれる食べ物には、大豆をはじめとする豆類や穀類、野菜があります。不溶性食物繊維は水分を保つ効果が高いため、ウンチの量を増やしたり、腸内に溜まったカスを包み込みます。しかも腸内の動きを促進する効果があるため便秘を防ぐことが出来ます。

オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌のエサになり、腸内のビフィズス菌を増やし腸内環境を良くすることで便秘を防ぎます。オリゴ糖が含まれる食品には、ゴボウや大豆、バナナ、さつまいもなどがあります。

腸内環境を良い状態で保つには、善玉菌が含まれているキャットフードや善玉菌を増やす効果のある食物繊維、オリゴ糖などを多く含む食材が原材料に使われたキャットフードを選んであげることが重要です。

猫の膀胱炎予防のおすすめキャットフード

あなたの猫の膀胱炎を予防するキャットフードを紹介します。膀胱炎を予防するための腸内環境を良くする成分が含まれたものをベースに選びました。

アカナ パシフィカ

アカナはカナダのチャンピオンペットフーズ社から販売されている穀物(小麦、トウモロコシ、米)フリーのキャットフードです。アカナは全部で3種類「ワイルドプレイリ―」「パシフィカ」「グラスランド」があります。

肉食動物である猫にとって必要な肉や魚をメインにしており、新鮮で栄養価の高い野菜や果物が豊富に含まれたキャットフードです。

3種類の味の中で今回紹介するのは、「パシフィカ」です。以下がパッケージです。

実際の粒は以下の通りです。

直径1㎝程で平べったい形の粒です。大きさは、猫にとって食べやすい大きさになっています。どの猫もカリカリと小気味良く食べています。

アカナのキャットフードには、以下のような原材料が含まれています。

パシフィカの原材料には、膀胱炎を予防する3つの成分が含まれています。3つの成分は以下の通りです。

1.新鮮丸ごと太平洋ニシン、新鮮丸ごと太平洋イワシ、新鮮丸ごとアブラカレイなどに含まれるDHAやEPA

2.新鮮クランベリーに含まれるキナ酸

3.腸内環境を整えるエンテロコッカス・フェシウム菌

それぞれについて詳しく説明します。

DHAやEPAについて

DHAやEPAは魚油に含まれる脂肪酸です。DHAとはドコサヘキサエン酸のことです。また、EPAとはエイコサペンタエン酸のことです。DHAやEPAは、必ず摂取しなければならない脂肪酸の一つです。

DHAやEPAの主な働きは、血液をサラサラにしたり、血管内の汚れを掃除したりすることです。それ以外の大事な役割は、身体の炎症を抑えることです。膀胱炎は身体で起きる炎症の一種であるため、日ごろからDHAやEPAが含まれたキャットフードを食べることで、炎症を軽減することができます。

パシフィカには他のキャットフードと比べるとDHAやEPAが多く含まれています。

アカナの他の味とDHAやEPAの含有量を比較したものが以下の表です。

パシフィカ ワイルドプレイリ― グラスランド
DHA 1% 0.2% 0.2%
EPA 0.8% 0.2% 0.2%

DHAやEPAが含まれる量は、ワイルドプレイリ―やグラスランドと比較すると、パシフィカが4~5倍多いことが分かります。パシフィカには魚をふんだんに使ってあるため、DHAやEPAを摂取するにはとても有効なキャットフードになります。

クランベリーに含まれるキナ酸

クランベリーは北米原産の赤い粒をした果実です。日本ではドライフルーツやジュースなどが販売されています。実際のものは以下の通りです。

クランベリーは膀胱炎や尿路感染を予防する効果が高いことから、キャットフードに含まれています。では、なぜクランベリーには膀胱炎などを予防することができるのでしょうか。

クランベリーに含まれるキナ酸が猫のおしっこを弱酸性に保つ効果があります。おしっこが弱酸性に保つことで、膀胱内で炎症を起こす大腸菌が増えるのを防ぐ効果があるからです。

腸内環境を整えるエンテロコッカス・フェシウム菌

エンテロコッカス・フェシウム菌は以下の通りです。

ヤクルト研究所「菌の図鑑」参照

エンテロコッカス・フェシウム菌は乳酸菌の一種で、腸の働きを整える効果があります。具体的には、身体に摂り込まれた食物を分解し、腸内の栄養吸収を助けます。大腸内の老廃物を排出するためのぜん動運動を促したり、体内に侵入した病原菌から身体を守ったりします。

猫の腸内にエンテロコッカス・フェシウム菌が生息することで、病気を引き起こす菌を寄せ付けない効果があります。

あなたの猫が膀胱炎になるのを予防したい場合、パシフィカは有効な成分がバランス良く含まれているキャットフードになります。

ナウ

ナウはカナダのペットキュリアン社から販売されている穀物(小麦、トウモロコシ、米)フリーのキャットフードです。

ナウは4種類のキャットフードがあります。穀物フリーのキャットフードでは珍しく、子猫用、成猫用、シニア猫用と年代ごとで作られています。成猫用のみが、チキン味と魚味の2種類作られています。

以下は、成猫用の魚味のパッケージです。

実際の粒は以下の通りです。

キャットフードにはいろんな大きさがありますが、ナウはそのなかでも相当小粒なタイプです。写真で分かるとおり、直径5mmの粒です。

立体的な形状なので、食べやすような猫もあれば、噛む時にポロポロこぼす猫もあります。

ナウの原材料には以下のものが含まれています。

ナウの原材料には、膀胱炎を予防する2つの成分が含まれています。2つの成分は以下の通りです。

1.クランベリーに含まれるキナ酸

2.腸内環境を整える乳酸菌

それぞれについて詳しく説明をします。

クランベリーに含まれるキナ酸

クランベリーについては、前述のアカナキャットフードに記載しました。

腸内環境を整える乳酸菌

ナウには、ラクトバチルス・アシドフィルス菌とエンテロコッカス・フェシウム菌の2つの乳酸菌が含まれています。

ラクトバチルス・アシドフィルス菌は以下の通りです。

ヤクルト研究所「菌の図鑑」参照

ラクトバチルス・アシドフィルス菌は、人や動物の腸内、口腔内、膣内に幅広く存在しています。ラクトバチルス・アシドフィルス菌は、猫の腸内に生息する悪玉菌を退治し免疫力を高める効果があります。

エンテロコッカス・フェシウム菌については、前述のアカナキャットフードに詳細を記載しました。

乳酸菌は数種類あるため、1種類だけの場合、効果を実感するまでしばらくかかることがあります。とくに、便秘体質の猫は腸内環境が改善されるまで相当の期間がかかります。

猫の腸内にあった乳酸菌を探すためにも、ナウのように複数の乳酸菌が含まれているキャットフードを試してみると良いでしょう。

モグニャン

モグニャンはイギリス製の穀物(小麦、トウモロコシ、米)フリーのキャットフードです。

モグニャンのメインになるタンパク質は白身魚です。年齢に関係なく、子猫から老猫まで対象になっています。

以下はパッケージです。
実際の粒は以下の通りです。

モグニャンの粒もナウの粒と同じく小粒です。モグニャンの粒はナウの粒よりも軽い食感に作られています。歯が弱ってきた高齢猫にとって食べやすそうな粒です。

モグニャンの原材料は以下の通りです。

モグニャンの原材料には、膀胱炎を予防する2つの成分が以下の通り含まれています。

1.クランベリーに含まれるキナ酸

2. 腸内環境を整える新鮮な果物

それぞれについて詳しく説明をします。

クランベリーに含まれるキナ酸

クランベリーについては、前述のアカナキャットフードの記載を参照ください。

腸内環境を整える新鮮な果物やビール酵母

モグニャンに含まれる便秘を予防する原材料としては、サツマイモ、ビール酵母、バナナ、リンゴがあります。

腸内環境を良くするものに食物繊維があります。食物繊維は猫の腸内に生息している乳酸菌などのエサとなり腸内環境を改善します。サツマイモやリンゴ、バナナには良質な食物繊維が豊富に入っています。

果物以外の腸内環境に良いものにビール酵母があります。ビール酵母とは、お酒のビールを作るときに欠かせない微生物です。ビールはビール酵母を使い、麦芽を発酵させることで出来上がります。

酵母菌は腸内で良い働きをする善玉菌です。悪玉菌を抑制して腸内環境を改善する効果があります。

膀胱炎を防ぐために、品質の良いキャットフードにはクランベリーが含まれています。ただ、クランベリーをしっかり摂取しても、腸内環境が悪いと大腸菌などの悪玉菌が多くなり、身体を守るための機能(免疫力)が落ちてしまいます。

猫が毎日健康なウンチをするのは、膀胱炎を予防するためには重要です。あなたの猫にあったキャットフードを選んであげましょう。

まとめ

猫は尿トラブルの多い動物です。尿トラブルにはいろんなものがありますが、膀胱炎は膀胱内に細菌が入って炎症を起こす病気です。

膀胱炎になると、おしっこがすっきり出ないため、猫は尿道口をしきりに舐めたり、トイレに入ったりで出たりを繰り返すようになります。膀胱炎を放置したままで手遅れになると有害な物質が猫の身体中に回ってしまい死んでしまうことがあります。早めに病院で治療してもらいましょう。

膀胱炎を予防するには、日ごろから猫の生活している様子を良く観察するようにしましょう。特にトイレを清潔に保つことや、水がいつでも飲めるようにすることは特に重要です。

膀胱炎を防ぐ食品としては、クランベリーが有名です。クランベリーに含まれるキナ酸は、腎臓や膀胱内を酸性に保ち、大腸菌などの有害な菌が生息できない環境を作ります。

他に膀胱炎を予防するには、猫の腸内環境を良くすることが大事です。腸内環境をよくするために、乳酸菌が含まれたキャットフードを選ぶと良いでしょう。乳酸菌以外にも、食物繊維が豊富な果物、ビール酵母なども腸内環境を良くする食べ物です。