猫に与えるキャットフードにはさまざまなものがあります。種類自体も多いですが、パッケージの大きさも4キログラム、2キログラム、400グラムなどいろんなタイプがあります。

また、キャットフードに含まれる酸化防止剤も合成された食品添加物のもの、自然由来のものなどさまざまな種類があります。

キャットフードは猫が食べる食事です。飼い主は猫の健康を考え、新鮮で良い原材料のものを選ぶのが普通です。ただ、そんなキャットフードを選んだとしても、保存方法を間違えると必要な栄養素を得られないこともあります。

キャットフードの栄養を十分に引き出すためには、正しい保存をすることが大事です。また、キャットフードに含まれている酸化防止剤についても知り、違いを理解することが重要になります。

今回は、それらについて詳しくお伝えします。

キャットフードが酸化するとは

猫の嗅覚は人間の数万倍~数十万倍であり、さまざまな臭いをかぎ分けます。一方で味覚はうとく、苦味・酸味の二つしかありません。つまり、猫が食べ物を認識するときは、キャットフードの匂いを頼りにしています。

そのため、猫は与えられたキャットフードの良し悪しを嗅覚で判断しています。キャットフードが酸化し、異臭がしていたら食べることはありません。たまに猫が食べ残しのキャットフードを、少し臭いをかいで食べないときがあります。こんなときはキャットフードが酸化している可能性がありますから、迷わず捨ててしまいましょう。

酸化とは、物がさび付いてボロボロになったりすることや、野菜や果物を室温で放っておくと、色や味が変わったりすることをいいます。身の回りの酸化現象として、以下のような具体例で説明します。

・金属がさびる

・リンゴの切断面が茶色に変色する

このように、もとの状態よりも劣化した状態を招くのは酸化することが原因です。この酸化が食べ物で起こった場合、食品本来のおいしさが失われ、悪臭、着色(茶色に変色)、異味、食品の栄養成分の低下などが起こります。

なぜ酸化による劣化が引き起こされるのでしょうか。酸化の原因としては以下の3つがあります。

・熱劣化

温度の変化により酸化が起こる。

・光劣化

太陽光や照明の光があたることで、酸化が起こる。

・経時劣化

空気に触れた状態が長く続くこと、保管期間が長期化することで酸化が起こる。

物が作られたばかりの時の状態は新鮮ですが、長時間空気にさらされると、環境変化(温度、光)によりだんだん新鮮さが失われていきます。鮮度を保つためには密閉保存をするのが良いでしょう。

このため、新鮮さを守るためには、物が作られた状態を維持することが大事です。食品の栄養素を長期間安定にさせるためには、空気に触れない状態をつくり、涼しく暗い場所に保管することが大事です。つまり、酸化を進行させないための抗酸化が必要になります。

キャットフードの酸化防止剤について

通常のキャットフードには、酸化防止剤が含まれています。酸化防止剤は、キャットフードに含まれる油脂の酸化による劣化で食品が変質するのを防止し、食品自体の品質を安定化させます。

なお、キャットフードに使用される酸化防止剤については、パッケージへの表示が義務化されているため、明確に表示されています。どんなものが使われているのかをチェックすることをおススメします。

自然由来の酸化防止剤

自然由来の酸化防止剤にはどのようなものがあるのでしょうか。実際の表示は以下のとおりです。

このキャットフードには3種類の酸化防止剤が入っています。いずれも自然由来のものですから、安全性が高いです。特徴について説明します。

・ミックストコフェロール

ビタミンEのことです。抗酸化作用が強いため、利用されています。ビタミンEの中のβ―トコフェロールが最も酸化防止の効果が高いです。トコフェロールは、米、小麦胚芽、大豆、卵黄、植物油、肝臓に多く含まれています。

酸化防止剤と使用される際は、上記の含有原料から抽出し、精製後製品化されたものです。

 ・ローズマリー抽出物

ローズマリーは抗酸化作用、消臭効果、抗菌作用があるシソ科のハーブです。料理では、肉の鮮度を長持ちするため古くから使われています。

ローズマリー抽出物は、ローズマリーの葉から抽出した酸化防止剤です。ビタミン類の酸化防止、キャットフードの色素安定化に使われています。

・緑茶抽出物

緑茶ポリフェノールからカテキンが作られています。熱に対して酸化防止効果が高いという特徴があります。魚油、植物油に優れた効力を発揮し、ビタミンE(トコフェロール)と一緒に使うことで相乗効果を期待できます。

カテキンには殺菌、抗菌効果があります。

合成された食品添加物の酸化防止剤

合成された食品添加物の酸化防止剤が入っているキャットフードは以下のとおりです。

このキャットフードの中には、2種類の酸化防止剤が入っています。特徴について説明します。

・BHA

ブチルヒドロキシアソニールが正式名称です。脂に溶ける性質の化合物です。BHAに対しては安全性の面を疑われる時期もあり、世界で広く使用基準についての再検討が行われました。その後、特に問題は確認できず、油脂や魚介加工では広く使われる製品になっています。

・没食子酸プロピル(ボクショクシサンプロピル)

没食子酸はお茶、ブナ、ウルシに含まれるタンニンから作られます。そこにプロピルアルコールを添加することで没食子酸プロピルができあがります。油脂やバターに対して酸化防止効果が高いです。

添加物については、自然由来のもの、合成された食品添加物のものの2つがあります。2種類のうちのどちらの商品を選ばれるかは飼い主の考え方ですが、猫の食いつきを観察して与えるキャットフードを検討しても良いでしょう。

猫の嗅覚は大変優れており、体に不要だと感じる場合は食べないこともあります。また、酸化防止剤はどれも安全性が確認され、人間用の食品にも使われているものです。

酸化防止剤が入ったキャットフードについてお伝えしましたが、次は酸化防止剤が入っていないキャットフードについてです。

酸化防止剤不使用のもの

酸化防止剤不使用のキャットフードは以下のとおりです。

このキャットフードには、酸化防止剤は全く入っていません。酸化しやすい油が含まれていないため、酸化防止剤を入れなくても問題ないとのことです。(メーカー確認済)

原材料は以下のとおりです。

ただ、密閉容器を開封すればキャットフードは徐々に酸化します。酸化防止剤の役割をするものがないと、キャットフードが劣化します。

原材料を確認したところ、抗酸化に優れた食材や栄養成分(パセリ、青じそ、ビタミンE)が含まれていました。

パセリ、青じそ、ビタミンEには、抗酸化効果、抗菌・殺菌効果があります。酸化防止剤の代用となるものが含まれているので安心です。

自然の食材のみ与えたいと考える飼い主には適したキャットフードになります。無添加・酸化防止剤不使用と記載があった場合、単純に良いモノと思わず、保存に適した食材が含まれているかを確認する慎重さが大事です。

酸化を防ぐための方法

キャットフードにはさまざまな酸化防止剤が入っています。また、酸化防止剤が含まれているわけではなく、「抗酸化効果の高い食品で酸化を防いでいるキャットフードも」あります。しかし、どちらのキャットフードも開封後は徐々に酸化します。

酸化防止剤が含まれているからといって、日差しが当たり、温度変化の激しい場所にキャットフードの開封口をふさがずに置いたりしてはいけません。

また、酸化防止剤が含まれていないキャットフードは、酸化を防ぐための保存をきっちり行い、さらに早めに食べ切るようにしなくてはいけません。

酸化を防ぐ保存の条件は以下の3つです。

・キャットフードを置いておく場所は太陽光や照明の光が当たらず、湿気のない涼しい場所が適している

太陽光や照明の光が当たることで光劣化が起こります。また、光が当たれば袋の中の温度が高くなり、日が陰れば袋の中の温度は下がり温度差による熱劣化を招きます。環境変化が激しければ酸化する速度も速くなります。

・キャットフードは1か月以内に食べ切れるくらいの量を選ぶ

どんなに良い状態で保存をしたとしても、開封直後の新鮮さは徐々に失われてしまいます。なるべく短期で食べ切れる容量のキャットフードを選ぶことで、猫は酸化が進んだものを食べなくて済みます。

・開封口はクリップでしっかり密閉する

例えば、おせんべいの袋を開け食べ残った場合、開封口は湿気らないよう封をします。キャットフードも同じで、開封口が開いていると空気が入り風味が落ち劣化が進みます。それを防ぐためにも、開封口は密閉しましょう。

例えば私の場合、多頭飼いのため全部の猫に共通で与えるキャットフードの容量は、標準サイズ(1.5~2キログラム)を購入します。

それ以外に歯のケア、ヘアボールケアのキャットフードを定期的に与えます。このような単発で与えるキャットフードについては、一番小さい容量のものを選ぶか、小袋に分けて入っているものを選ぶようにしています。

また、キャットフードの開封後は乾燥剤のついた密閉容器に保存します。

酸化防止剤以外の保存方法について

さて、酸化を防ぐキャットフードの保存方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは具体的に、キャットフードのパッケージの工夫、キャットフードの密閉容器などを使い、酸化防止が簡単にできる方法をお伝えします。

キャットフードを棚にしまうだけよりは、効率的に酸化を防ぐ保存ができます。

キャットフードのパッケージについて

キャットフードには、「パッケージに1.8キログラム入りと書いてあり、袋を開けると小袋に分けて入っているもの」や、「袋を開けたら小袋になっておらずキャットフードがそのまま入っているもの」があります。

小袋タイプの方が酸化防止になりますが、飼い主や猫の事情もありますから小袋タイプではないタイプを選んだ場合、後述する密閉容器を活用することをおススメします。

小袋タイプのキャットフードの実際は以下のとおりです。

一袋あたりは1.8キログラム入ったパッケージで売られています。

中身は以下のように600グラムずつ小袋でパッケージ化されています。

例えば、このキャットフードは「4キログラムから5キログラムの猫に対しては、1日あたり60グラムを与える目安」になっています。

60グラム×10日=600グラムになります。約10日で小袋分を食べ切ることになります。他の小袋は空気に触れないように密閉されていますので、無駄に酸化することはありません。

このようにパッケージを工夫したキャットフードは他にもたくさんあります。飼い猫の年齢に合ったもので、探してみましょう。

キャットフードの密閉容器について

次は、開封後のキャットフードの密閉容器についてです。キャットフードの密閉容器は「キャットフードストッカー」という名称でさまざまなものが販売されています。

我が家で使っている密閉容器は以下のものです。

大きさは、横幅25センチメートル、奥行き34.5センチメートル、高さ31.3センチメートルです。キャットフードを直接入れると4キログラムまで入りますが、1.5キログラムのキャットフードの場合は2袋まで入ります。小ぶりで威圧感がなく、どこでも置いておけます。

実際にキャットフードを入れると以下のようになります。

キャットフードを給餌するためのスコップも備えつけられています。(残念ながらスコップには目盛りは入っていません)

この密閉容器の良い所は、フタの裏に乾燥剤をセットする場所があることです。開封後のキャットフードをクリップで留めてこの容器にしまっておけば、湿気による風味の劣化や酸化を防ぐことができます。

このキャットフードを使う前、私はキャットフードを棚に入れて保存していました。ただ、猫が棚を開けてキャットフードを勝手に食べることがあり、困っていたときに見つけました。フタは密閉されており、猫が絶対に開けられませんので保存状態が格段に良くなりました。
https://www.irisplaza.co.jp/IMAGE/PET/PRODUCT/P324281.jpg?iup=191202

まとめ

キャットフードにはさまざまな酸化防止剤が含まれています。酸化防止剤には、「自然由来のもの」「合成された食品添加物」の2種類があります。合成された食品添加物のキャットフードを選んだとしても、人間の食品に含まれている合成添加物でもあるため、安全性は問題ありません。

天然か合成かではなく、飼い猫の年齢・体調・好みという点から飼い猫に適したキャットフードを選ぶのが良いでしょう。

一方、酸化防止剤を入れずに、一般の食品の抗酸化効果の高いものを入れたキャットフードがあります。酸化防止剤が含まれず無添加を特徴としたキャットフードの場合、原料に抗酸化効果の食品が含まれているかチェックしましょう。

また、キャットフードの酸化を防ぐ保存の条件があります。その条件を簡単にクリアする方法として、小分けになったキャットフードを選ぶことがあります。他には、キャットフードを密閉保存するためのフードストッカーを活用すると良いでしょう。

猫に安全なキャットフードを与え、健康に過ごしてもらうためにも、酸化防止剤も密閉容器も大事な要件なのです。