授乳期・離乳期を無事に過ごし、子猫は成長期をむかえます。成長期は生後3か月以降から12か月までの期間をいいます。

この間は猫の一生のうちで最も体が大きくなる時期です。このことから、正しいキャットフードとそれを与える期間(いつから、いつまで)が大事になります。そこを押さえることで、健康な成猫になることができます。

次に、子猫の成長にはバランスの良いキャットフードは不可欠です。成長期の基本になるキャットフードは、ドライタイプのキャットフードと新鮮な水です。

また、子猫の成長期の体が、いつからいつまでの期間、どのように変化するかを把握しておき、それにあわせて、キャットフードの与え方を変えることも重要です。

一方で、この時期にほとんどの飼い猫は、避妊・去勢手術を受けます。生殖機能を取り除くことで、その部分で必要としていたエネルギーが不要となり、太りやすくなります。猫が肥満すると、それが原因でさまざまな病気にかかるリスクが高まります。

子猫が健康な成猫になるため、飼い主は、子猫の活動に見合った食事管理をする必要があります。

この時期の気を付けるべきポイントは、「子猫の体の変化がいつから、いつまでであるかを把握し、その時期に合ったキャットフードを与えること」「新鮮な水をたっぷり与えること」の2つです。これから、それぞれについて順番にお伝えします。

生後3か月以降のキャットフードと与える期間(いつから、いつまで)

成長期は生後3か月以降から12か月目までをいいます。この10ケ月間は2つのステージに分けることができます。いつから、いつまでに子猫がどのような成長をするのかあらかじめ把握しましょう。その2つのステージとは下記のとおりになります。

・成長期の第1ステージ(急成長期):3か月以降から6か月までの時期

・成長期の第2ステージ(緩やかな成長期):7か月以降から12か月までの時期

これから、この2つのステージの特徴、キャットフードの与え方の違いについて説明します。

成長期第1ステージ(急成長期)について

・特徴

猫の一生のうちで最も体が大きくなる時期です。子猫の体の骨格や筋肉、内臓の機能が徐々にしっかりしてきます。好奇心が旺盛で、いろんなことに興味を持ち、活発に動き回ります。

また、食べ盛りの時期です。1日の食事の量の目安は大事ですが、もっと欲しがるようなら、少し多めに与えても問題はありません。

・キャットフードの与え方

基本はドライタイプのキャットフードと新鮮な水を与えましょう。キャットフードは、子猫用フードまたは、総合栄養食と表示のあるものです。このときの子猫は食欲旺盛です。しかし、食べ物を消化する働きはまだ弱いため、1日に4~5回に分けて少しずつ与えましょう。

以下のような表示のある子猫用フードを与えるといいです。

個体差はありますが、3か月目から5か月目の体重の目安としては、約1.5キログラムから3キログラムまで増加します。それに伴いキャットフードの量も最高120グラムまで増えます。

この変化を正しく把握するためにも、子猫の体重を10日に1回はチェックし、それに合わせて子猫へ与えるキャットフードを増やすことが重要です。

体重の測り方については下記の手順で行うのが一番簡単です。

1.家庭用体重計に飼い主が乗り体重を測る

2.子猫を抱いて飼い主と一緒に体重計を測る

3.上記2の体重-上記1の体重=子猫の体重

成長期第2ステージ(緩やかな成長期)

・特徴

この時期になると成猫と思えるほどたくましい体つきになります。そして、ここからは緩やかな成長へ変化してきます。また、一般的に猫の発情期が生後7か月~10か月ごろのため、その時期付近で避妊・去勢手術を受けます。

メスは避妊手術で卵巣と子宮を取りのぞきます。オスは去勢手術で精巣を取りのぞきます。その結果、発情行動で使うエネルギーが不要となり基礎代謝が低下します。通常どおりのキャットフードの量を与え続けると肥満猫になってしまいます。

肥満は、骨格や内臓への負担を招きます。ただ、猫が独自に食事管理をすることはできません。飼い猫の健康を守るのは飼い主の責任です。運動量に見合う食事管理をすることが重要です。ここでは、避妊・去勢手術を受ける子猫とそうでない子猫に分けてキャットフードの与え方についての説明をします。

避妊・去勢を受けない子猫のキャットフードの与え方

多くの飼い猫は、避妊・去勢手術を成猫になる前(生後12か月まで)に受けます。一方で、すぐに手術は受けずに、成猫になってから手術を受ける飼い猫もいます。成猫になってから避妊・去勢手術する子猫は12か月目まで、今までと同じ子猫用フードもしくは総合栄養食と表示のあるドライタイプのキャットフードと新鮮な水を与えましょう。

消化吸収の働きも良くなりますので、1日に2~3回に分けて与えましょう。

例として、下記に示した実際の子猫用フードの表示を見てみましょう。

この場合も個体差がありますが、体重は約3キログラムから4.5キログラムへ増加します。キャットフードの量は6~7か月の120グラムをピークにその後8か月目以降は徐々に減少しています。

一般的に10か月から12か月で骨の成長も止まります。成長自体が終わりを迎えますので、必要カロリーが減るのです。ここはきっちりと管理する必要があります。

避妊・去勢手術を受ける子猫のキャットフードの与え方

子猫の体調を見ながら、避妊・去勢手術を受ける段取りが進みます。手術前は、通常どおり子猫用フードもしくは総合栄養食と表示のあるドライタイプのキャットフードと新鮮な水を与えましょう。

避妊・去勢手術を行った後の体の変化としては、発情活動がなくなります。通常、発情活動には総消費カロリーの30パーセントが必要とされます。その分が不要となるため手術を受けた後、子猫へ与えるキャットフードは30パーセントほどカットする必要があります。

上記の子猫用フードの写真の場合で考えてみましょう。

生後8~9か月 子猫の体重が4キロの時に避妊・去勢手術を行ったとして考えてみましょう。

手術前は、子猫に与える1日のキャットフードは110グラムです。

しかし手術後は、子猫に与える1日のキャットフードは30パーセント減らす必要があります。

その結果、子猫に与える1日のキャットフードは、110グラム-(110グラム×0.3)=77グラムになります。

同じキャットフードを与える場合、110グラムの食事量を77グラムに減らさなくてはなりません。直前まで食べ盛りだったこともあり、少ないキャットフードでは満足しないのが普通です。我が家の猫も、食べられないストレスでイライラして問題行動を起こしていました。

食事制限は理屈を理解した人間の場合も苦労します。子猫の場合も難しいと考えた方がよいでしょう。このようなことで子猫が無駄にストレスをためないためにも、キャットフードを「避妊・去勢後専用キャットフード」に変更するのが良いでしょう。

避妊・去勢後のキャットフードは、子猫用フードや総合栄養食よりも低カロリーで腹持ち良く作られています。キャットフードを変更することで、子猫はストレスを感じることなく、効率的に体重管理ができます。

以下は実際のキャットフードのパッケージです。

パッケージの目立つ場所に「避妊・去勢猫用」と表示があります。このようなキャットフードは他にも多くあります。栄養バランスも適したものです。

飼い猫の日々の食事管理は飼い主のつとめです。お互いにとってストレスを感じることなく、自然にできる方法で工夫し、肥満を回避しましょう。

新鮮な水の必要性について

子猫にとって欠かせない食事は、ドライタイプのキャットフードと新鮮な水です。なぜ、新鮮な水が必要になるのかについて詳しく説明します。

まず、猫の祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコであるといわれています。乾燥地帯でも生きていけるように、体内に取り入れた水を腎臓で凝縮し、体外へ排出する量を極力少なくするという特徴があります。猫は少ない水分を効率よく体内でリサイクルする能力が高い生き物なのです。

このような体の特徴もあり、水をあまり飲まないという性質があります。しかし、猫の体の成分中、一番多いのは水分です。水は栄養素を分解したり、各細胞に栄養を送ったり、尿で不要なものを体外に排出したりするためにも必要なものなのです。

水の摂取量が少なすぎると、将来、尿路結石症や腎疾患を患うリスクがあります。飼い主は水分摂取について注意深く観察をし、飼い猫の健康を守りましょう。

猫に適した水について

猫に適した水は軟水です。水は硬度の違いにより、軟水と硬水に分類されます。水1リットルあたりのカルシウムやマグネシウムの含有率が120ミリグラム未満だと軟水であり、120グラム以上が硬水です。これは、WHO(世界保健機構)が定める基準です。私たちが普段飲んでいる水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水です。

猫は腎臓で尿を凝縮します。そのため、カルシウムやマグネシウムを多く摂りすぎると、その成分も凝縮されやすく、尿路結石や膀胱結石の原因となることがあります。

猫が常時飲む水は、カルシウム、マグネシウムの含有が低い軟水が適しています。日本の水道水は、カルシウム、マグネシウムは1リットルあたり100ミリグラム以下に管理されている軟水であることや、塩素が含まれており、汲み置きしても衛生面の安全性が保てること、お手軽という理由から適しています。

1日に飲む必要な水について

猫の健康維持のため、1キログラムあたり50ミリリットルの水が必要といわれています。4キログラムの猫であれば、1日に200ミリリットルの水を飲む必要があります。

猫は水を多く取り込まなくても体内で水分リサイクルをすることができますが、これにより腎臓や腎細管を酷使することになります。猫がよくかかる病気のNO1が腎不全であるのも、猫の体の特徴が原因となるためです。大切な猫の体を守るためにも、新鮮な水をたっぷり飲むことが病気発生リスクを下げるのです。

水を飲ませるための工夫

子猫のうちから、水を飲む習慣にしましょう。そのためにも、家の中に何か所かの水飲み場所を作ることをおススメします。猫の行動を見ていると、ドライタイプのキャットフードを食べた後に水を飲むことが多くあります。このことから、キャットフードを食べる付近に置いておくと良いでしょう。

高さや、大きさもいろんなタイプのものを使っています。参考までに、我が家の水入れの写真です。

このタイプは目盛りがあるのが便利です。以下の写真では、目盛り部分を拡大しました。

この水入れは、猫がどのくらいの水を飲んだか確認できるのがメリットです。

また、猫はきれい好きという性質があります。朝・晩の2回水入れを洗い、新しい水に入れ替えています。

猫にはいろんなこだわりがあり、動く水に興味を持つこともあります。そのような場合は、水をろ過しながら循環させるタイプの商品もあります。ホームセンターやペットショップにいろいろなタイプの商品があります。

以下は猫用自動給水器です。

以下は実際の商品です。横21センチ×奥行21センチ×高さ16.7センチ、重さ760グラム、容量2.3リットルです。

日中猫が留守番している家庭の場合、何度も水の入れ替えができませんので、このような商品を活用することで、清潔な水を準備することができます。
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猫が水を飲まない場合

様々な工夫を試みた場合でも、猫によっては、極端に水の摂取が少ない場合の対処法についてお伝えします。なかなか水を飲まない猫は、体内の不純物を体外に洗い流すことができず、病気になるリスクが高くなります。

猫の様子を見ながら、水を飲んでくれない場合は、ウェットタイプのキャットフードを活用しましょう。

ウェットタイプのキャットフードはドライタイプのキャットフードに比べて、70~80パーセントも水分を多く含んでいます。ドライタイプのキャットフードとウェットタイプのキャットフードを混ぜて与えることで、水分摂取が自然にできます。

以下は実際に混ぜたものです。

ただ、ドライタイプのキャットフードにウェットタイプを混ぜて与えるときのカロリーがどうなるのか心配です。

そこで、ウェットタイプのキャットフード1パック当たりのカロリーを確認したところ、裏面に記載がありました。

このタイプは、1パックで50キロカロリーと表示があります。ドライタイプのキャットフードの給与量を基準にし、カロリーを調整して与えるとよいでしょう。

ウェットタイプのキャットフードの注意点としては、食後20分経過し残っている場合はすぐに捨てましょう。時間の経過で腐敗する場合があり、体調不慮のもとになります。また、食事をいれたフード皿も良く洗い、清潔に管理しましょう。

まとめ

生後3か月の子猫は急激な成長をします。飼い主は十分な栄養管理が必要です。体がどんどん大きくなりますから、こまめな体重チェックをし、必要量をしっかり与えましょう。

いつから急激な成長がはじまるのか?いつ体重を測ったのか?等、変化のタイミングをしっかり押さえましょう。

次に、緩やかな成長期になります。発情期が訪れ、飼い主にとっても落ち着かない時期です。避妊・去勢手術をする場合、しない場合で与えるキャットフードも変わってきます。子猫にあったものを与えましょう。

この時期は避妊・去勢手術をしない場合は、いつから子猫に与えるキャットフードを減らすのか?について慎重になりましょう。

また、避妊・去勢手術をする場合は、その後速やかに「避妊・去勢後のフード」へ切り替えましょう。どちらも、いつから変更するかを明確にダンドリすることで、猫の肥満回避につながります。

新鮮な水はキャットフードと同じくらい猫の健康にとっては重要なものです。いつでも新鮮な水が飲めるよう、家の中に何か所か水飲み場を作ってあげましょう。また、猫はきれい好きですから、清潔な水入れ、水の交換もこまめにしてあげることで、たくさんの水を飲んでくれます。