最近は、販売されるキャットフードの品質が良くなったこともあり、10歳を過ぎても若々しい猫が多くいます。そのため、見た目は、毛艶も良く、元気そうに見えます。しかし、猫の老化は少しずつ始まっています。
いつまでも、若い時と同じままのキャットフードを与えていると、猫の胃腸に負担がかかります。7歳を過ぎた猫には、身体の状態に合わせたキャットフードに切り替えてあげるのが良いでしょう。
猫の胃腸に負担が掛からないキャットフードは、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーのキャットフードです。
いろんな種類の穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードの中から、シニア以上の猫が食べて、元気になるものを紹介します。
もくじ
猫の年齢を人間で考えてみる
猫の年齢といってもピンとこないかもしれません。そこで、猫の年齢を人間で考えてみましょう。
以下に猫のライフステージをまとめます。
ライフステージ | 猫 | 人間 |
授乳期・子猫期 | 生後12カ月まで | 0から17歳 |
成猫期 | 6歳まで | 18歳~40歳 |
シニア期
(中高齢猫) |
7歳~12歳 | 44歳~64歳 |
ハイシニア期
(高齢期) |
13歳以上 | 65歳~ |
猫のシニア期(中高齢期)は、7歳からをいいます。人間でいうところの44歳から64歳です。人間では、白髪やしわが気になりだしたり、脂っこい食べ物がもたれたりするころです。
猫のハイシニア期(高齢期)は、13歳からをいいます。人間でいうところの65歳以上です。人間では、高血圧、コレステロールなどが気になりだしたり、ヒザ・腰などが痛みだす年齢です。
猫は、可愛いので、いつまでも子供のように扱ってしまいますが、気が付いたら飼い主よりも年をとっていたということにもなります。
猫が必要とする栄養素は、ライフステージごとに少しずつ変わります。その時期、その時期に最適なキャットフードを選ぶようにしましょう。
シニア以上の猫に最適なキャットフードの条件とは
猫が7歳以上になれば、胃腸のはたらきが徐々に衰えてきます。我が家の7歳以上ばかりの猫たちの食欲を観察していても、最近は、1日2~3回の食事で満足するようになっています。
そこで、7歳以上の猫に最適なキャットフードの条件は、以下の4つになります。それぞれ詳しくお話します。
条件1:穀物不使用(グレインフリー)キャットフード
猫は、完全な肉食動物です。猫は、動物性の食材にしか含まれていない栄養素が必要な身体であるため、肉や魚を排除して、健康に過ごすことはできません。
また、穀物から得られる栄養素である糖は、猫の場合タンパク質を摂っていれば、身体の中で合成することができます。そのため、穀物(小麦・トウモロコシ・米)を食べなくても、生きていくことができます。
むしろ、穀物(小麦・トウモロコシ・米)を多く食べると、うまく消化することができず、下痢・嘔吐(おうと)をして体調を崩すこともあります。
シニア猫になれば、消化の働きが悪くなります。胃腸に負担がかからない、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードを与えるようにしましょう。
条件2:タンパク質は25%~30%ほどのキャットフード
猫は肉食どうぶつであるため、タンパク質が一番大事な栄養素です。タンパク質が不足すると、身体の内臓、被毛、骨格、神経などに栄養が廻らず、病気になったり、老化が加速したりします。
たっぷりタンパク質が摂れることは、いつまでも猫が元気に過ごすには大事です。タンパク質の種類も、鶏、七面鳥、豚、牛、ラム、魚などいろんなものを少しづつ与えるようにしましょう。
猫は、タンパク質をアミノ酸に分解して、身体に吸収します。猫が必要とするアミノ酸は、10種類もあります。そのアミノ酸を得るためには、ある特定の魚だけ、鶏だけという偏った食事はよくありません。
なるべくなら、動物や魚のアタマから尻尾までのいろんな部位が含まれているキャットフードを選びましょう。そうすることで、猫の身体に、幅広いタンパク質を摂り入れることができます。
条件3:抗酸化成分が豊富なキャットフード
シニア以上の猫は若い猫に比べると、呼吸を多くして、酸素を身体に摂り入れているため、身体の中がサビる活性酸素を多くもっています。
身体の中が活性酸素でサビると、内臓のはたらきが悪くなり、血管内もよごれ、ガンなどの病気を作ります。活性酸素を取り除くことが、猫の健康には大切です。
活性酸素から、身体を守るためには「抗酸化成分」が有効です。抗酸化成分により、活性酸素の働きを抑えることができます。
ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCが含まれるキャットフードは、抗酸化作用が高いため、シニア猫には、積極的に与えると良いでしょう。
ビタミンAは、鶏肉・鶏レバー、豚レバー、ギンダラ、ラム肉、卵に多く含まれています。
ビタミンEは、青魚、カツオ、たい、かぼちゃ、大豆などに多く含まれています。
ビタミンCは、いも類、ブロッコリー、ニンジン、果物に多く含まれています。
条件4:リンの含有量が控えめなキャットフード
猫が高齢になれば心配になる病気は、慢性腎不全です。猫は、おしっこを濃縮して出す性質であるため、腎臓に負担が掛かりやすい動物だからです。
リンは、身体の中で骨を強くするために必要なミネラルです。腎臓の働きが正常であれば、猫の身体の中のリンが多くなればおしっこで外に出します。しかし、高齢になり腎臓の働きが悪くなれば、おしっこでリンを外に出すことができず、身体の中にリンが多くなってしまいます。
リンが身体の中に多く溜まってしまうと、高リン血症となり、身体にさまざまな不調をもたらします。
そうならないためにも、シニア以上の猫は、リンの含有量が控えめなキャットフードを、選んであげることが重要です。
シニア猫が元気になるおすすめ穀物不使用キャットフード
7歳以上のシニア猫がこの先も元気で過ごすことができるための、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードを以下に紹介します。
アカナ ワイルド・プレイリ―
アカナは、カナダのペットフードメーカーです。シニア以上の猫に最適な味は、自然飼育の鶏、七面鳥、新鮮な魚が中心の「ワイルド・プレイリ―」です。パッケージは以下のとおりです。
原材料は以下のとおりです。
タンパク質は、動物・魚どちらも含まれています。新鮮鶏内臓には、老化を防ぐ、抗酸化作用の高いビタミンAが多く含まれています。
穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードであるため、シニア猫の消化に負担がかかりません。
他の味には、太平洋の魚を豊富に含んだ「パシフィカ」、牧草で飼育した羊肉、自然飼育の鶏を豊富に含んだ「グラス ランド」などの味も楽しめます。
タンパク質が偏らないように、ローテションでいろんな味を与えるようにしましょう。
すべての猫用【アカナキャット】
ナウ フレッシュ シニア猫 グレインフリー
ナウ フレッシュは、良質な生肉・生魚を使った、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードです。7歳以上のシニア猫に適したものになっています。パッケージは以下のとおりです。
原材料は以下のとおりです
シニア猫用ということで、低脂肪タイプに作られています。野菜、くだものが豊富に含まれています。身体のサビのもととなる活性酸素を防ぐビタミンE(かぼちゃ)、ビタミンC(ニンジン、グレープフルーツ、ブロッコリー、クランベリー、ラズベリー)などが、ふんだんに含まれています。
ニュートロ ナチュラルチョイス穀物フリー アダルトサーモン
ニュートロはアメリカのペットフードメーカーです。年齢別・体型別でいろんな種類のキャットフードが作られています。以下は、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーのキャットフードのパッケージです。
原材料は以下のとおりです。
アカナ、ナウフレッシュのキャットフードと比較すると、新鮮な野菜、くだものは含まれていません。しかし、生サーモンをたっぷり使った、タンパク質が豊富なキャットフードになります。
原材料のタンパク質は、鶏肉、豚肉、七面鳥などが多く、魚味は少ないのが実際のところです。幅広いタンパク質を与えるためにも、ニュートロのアダルトサーモンをローテーションの一つに加えると良いでしょう。
まとめ
猫は7歳以上になれば、シニア期(44歳~64歳)、13歳以上になれば、ハイシニア期(65歳~)になります。見た目が若くても、身体は少しづつ老化しています。年齢にあったキャットフードに切り替えるようにしましょう。
シニア以上の猫に適したキャットフードの条件は以下のとおりです。
1.穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーのキャットフード
2.タンパク質は25%~30%ほどのキャットフード
3.抗酸化成分の豊富なキャットフード
4.リンの含有量が控えめなキャットフード
猫は、完全な肉食動物であるため、穀物(小麦・トウモロコシ・米)を食べなくても、タンパク質を分解合成して糖を身体で作ることができます。
穀物(小麦・トウモロコシ・米)は、消化に負担がかかり、下痢・嘔吐(おうと)などの不調を招くことがあります。猫の身体に負担のかからない、穀物(小麦・トウモロコシ・米)不使用のグレインフリーキャットフードを与えてあげるようにしましょう。