あなたの猫が甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)になってしまった場合、動物病院で受ける治療と同じぐらい重要になるのが食事です。特に甲状腺ホルモンの分泌を抑えるメルカゾール錠を服用しながら治療する際は、猫の食欲にムラがあったり、体調が不安定になったりすることが多くあります。

「低ヨウ素キャットフード」とは療養食であり、メルカゾール錠の服用で副作用が出たときなどに与える食事になります。

ただ、メルカゾール錠を服用しても問題のない場合は、猫に与えるフードに制限はありません。つまり、猫が好むものを与えても問題ないということです。そのため、猫が喜んで食べてくれる甲状腺機能亢進症に適したフードを準備してあげましょう。

どのような場合でも、しっかりと猫が食べてくれる事がもっとも重要です。特に甲状腺機能亢進症は、新陳代謝が活発なため、食べていても痩せていきます。猫の食欲が落ちて食べなくなってしまうと、猫はどんどんやせ衰えてしまいます。

今回は、低ヨウ素以外のキャットフードで、我が家の猫の食いつきが良かったフードについてお話します。

甲状腺機能亢進症は、一度かかってしまうと、ずっと向き合っていかなければならない怖い病気です。私の猫もこの病気にかかってしまいましたが、あきらめずに試行錯誤した結果、安定して今も元気に過ごしています。

私の猫にしてあげたことを、本記事にすべて詰め込みました。これを読んで、あなたの愛猫の元気な姿を取り戻しましょう。

甲状腺機能亢進症に適した低ヨウ素以外のキャットフード

甲状腺機能亢進症にかかった場合、主に「メルカゾール錠」を使って甲状腺ホルモンの分泌を抑える方法と、米国のキャットフードメーカーのヒルズが販売している、療養食の「低ヨウ素キャットフード(y/d)」で甲状腺ホルモンの素となるヨウ素(ヨード)自体を制限する2種類の方法があります。

甲状腺機能亢進症の療養食である、低ヨウ素キャットフード(y/d)で治療を行う場合、猫の食事は、療養食(低ヨウ素キャットフード)と水のみになります。メルカゾール錠の治療で副作用が出たり、薬を使いたくなかったりするときに、このような療養食による治療が行われます。

一方、メルカゾール錠で治療を行う場合、低ヨウ素キャットフード(y/d)を与える必要はありません。猫が好むフードはどんなものでも与えることができます。

甲状腺機能亢進症の治療を行う過程で、我が家の猫は、キャットフードの好き嫌いがものすごくありました。食べるときと食べないときの食べムラも激しく、いろんなキャットフードを試す日々でした。

これから紹介するキャットフードは、特に好き嫌いの激しい我が家の猫が、喜んで食べる「低ヨウ素以外のキャットフード」です。そのため、栄養価の高さはもちろん、食べやすさにおいてもおすすめできるフードになっています。

スペシフィック 療養食

スペシフィックというデンマークのペットフードメーカーが販売している療養食です。この療養食は、病気等で身体に栄養が不足した状態の動物向けのウェットフードです。(猫・犬どちらも可)実際のパッケージは以下の通りです。

通常ウェットフードは、水分が70%以上あるため、カロリー自体は、ドライフードと比較すると低くなっています。そのため、必要な栄養を摂取するときは、ある程度の量を食べる必要があります。ただ、スペシフィックの療養食は、ウェットフードであるにもかかわらず、高栄養・高カロリーに作られています。

そのため、病気で身体の体力が衰えている時や、食欲がないときなどに与えると、必要な栄養を少ない量で摂取できます。ドライフードと比較しても、ウェットフードの方が消化・吸収が良いため、病気の猫に適しています。

中身は、以下の通りです。

実際のものは、滑らかなペースト状になっています。未開封のときは、密封されているため、常温で保存します。このとき、温度の変化が少ない場所に置くのが基本になります。ただ、季節の寒い時期は、どうしてもフードが硬くなります。そんなときは、少し白湯を足して、柔らかく練って与えると喜んで食べてくれます。

以下は、上記のウェットフード4分の1に対して、小さじ1杯(5ml)の白湯を足して、練ったものです。

注意点として、白湯を足すときは、少しずつ調整するようにしましょう。なぜなら、白湯が多く入り過ぎると、フードの匂いが薄まるため、猫の食いつきが悪くなるからです。

そして、開封後の残りのウェットフードは、すぐに冷蔵庫で保存するようにしましょう。

理由は、ウェットフードには防腐剤が入っていないからです。そのため、気温によっては短時間でも腐敗してしまいます。猫が病気の療養中であれば、免疫力は元気な猫に比べると相当落ちているはずです。そのようなときに、悪い食べ物を食べて、吐いたり下痢をしたりすれば、身体に与えるダメージは大きくなります。少しでも新鮮な食べ物を与えられるよう、しっかり管理をしましょう。
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アルモネイチャー

アルモネイチャーはイタリアのペットフードメーカーです。世界で最初に100%ナチュラルフードを作った、原材料の品質の良さが売りの会社です。

食材は人間が食べられるほどの品質の高さと、新鮮さが特長です。人工着色料、人工香料、防腐剤は一切使用していません。

好き嫌いの激しい猫のために、タンパク質の原材料には多種の動物、魚が使われています。そのため、いろんな味をローテーションで食べることができ、猫の突然の食べ飽きに飼い主が困ることがなくなります。

キャットフードは、ドライフードとウェットフードの2種類があります。中でもウェットフードは、必要な栄養素が詰まった総合栄養食を中心に、トッピング用の一般食も含めると相当の種類があります。

我が家の猫は、甲状腺機能亢進症の治療を始めてから、好き嫌いが激しくなりました。傾向として、体調が悪いときは、舌触りが滑らかなものを好むようになります。白湯で練ったり、フードプロセッサーで柔らかくしたりするなど、その都度工夫するようにしていますが、食いつきの良いフードは限られています。

そのような状況で、アルモネイチャーは種類の多さから、食いつきの良いキャットフードを探すことができるため、非常に重宝しました。アルモネイチャーの中でも「デイリーメニューシリーズ」は、一目で分かるほどの柔らかなムースタイプでした。試しに与えたところ、とても食いつきが良かったのを覚えています。舌触りの滑らかさと新鮮な香りが猫の好みにあったようです。

特に、我が家の猫が格別にお気に入りのものとしては、以下の「デイリーメニュー海魚入りお肉のムース」があります。

デイリーメニュー海魚入りお肉のムースには、チキン、ターキー、ポークという3種類の肉の中に海で獲れた魚がミックスされています。DHAやEPAといった猫が必ず必要とする良質な脂肪分が多く含まれています。

写真でもわかる通り、とても柔らかなのが特長です。病気の影響で食欲が落ちていた私の猫が、夢中で食べてくれます。

次に紹介するのは、以下の「デイリーメニューラム入りお肉のムース」です。

デイリーメニューラム入りお肉のムースは、チキン、ターキー、ポーク、ラム(羊)という4種類のお肉でできています。

ラム肉は筋肉を作るカルニチンが豊富です。他にも、良質なタンパク質がたっぷり摂れ、ミネラル、ビタミンが豊富な食材です。ラム肉は、独特の匂いでクセのある食材と言われますが、デイリーメニューシリーズは、猫が食べやすいよう加工されています。

我が家の猫に、一番最初に与えたのがこの缶詰でした。とても気に入ったらしく、1缶を一気に食べてしまいました。病気になってからは、見たことがない程の食べっぷりだったため、とてもビックリしたのを覚えています。

今までは、チキン、ポーク、魚等のキャットフードを中心に与えていたため、ラムのウェットフードは与えたことがありませんでした。猫の食いつきがとても良かったので、これを機会にいろんなものにトライしてみようという気にもなれました。
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次に以下に紹介するのは、「デイリーメニューラビット入りお肉のムース」です。

デイリーメニューラビット入りお肉のムースは、チキン、ターキー、ポークの3種類の肉に加えてラビット(ウサギ)が入ったタイプです。日本でウサギの肉は一般的に食べませんが、ヨーロッパ、中国では食されます。ラム肉同様、めずらしい食材なのでトライしてみました。ラビット肉は、高タンパクで消化が良いのが特長です。

上記の3つの味は、我が家の猫のお気に入りです。デイリーメニューシリーズは全部の味を合わせると10種類あります。もし、あなたの猫が食べものに対してこだわりが強いようであれば、アルモネイチャーのデイリーメニューを試してみると良いでしょう。きっと、最低でも2~3種類のお気に入りを見つけることができるはずです。
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ロイヤルカナン ウェットエイジング12+

ロイヤルカナンはフランスのペットフードメーカーです。猫のライフサイクルに合わせた総合栄養食を中心にした商品構成になっています。また、猫のお悩み(太っている、毛玉予防、泌尿ケア)等の目的に合わせた商品も多く取り揃えてあります。

ドライタイプのキャットフード、ウェットタイプのキャットフードの両方が揃っているため、猫の好き嫌いに合わせて商品を選ぶことができます。「ロイヤルカナン ウェットエイジング12+」は、12歳以上の老猫に必要な栄養がバランス良く配合されたウェットフードです。パッケージは以下の通りです。

以前は、ドライタイプのキャットフードを好んで食べていましたが、甲状腺機能亢進症を発症してからは、ウェットフードしか食べなくなりました。実際の中身は、以下の通りです。

柔らかい粒々タイプのフードに、とろみの付いたスープがよく絡んでいます。先に紹介した2種類のウェットフードは柔らかいタイプですが、こちらのウェットフードは、ボリュームたっぷりの噛み応えのあるタイプになります。

人間の食べ物に例えると、前述したスペシフィックやアルモネイチャーはお粥のような柔らかい食事です。人間も、体調がすぐれないときは、胃腸に負担が掛からないものを好む傾向がありますが、それと同じです。

一方、ロイヤルカナンはそこそこ弾力のある食べ物になります。そのため、体調が回復してきたときのリハビリ食として向いています。

猫は好き嫌いが激しい動物ですが、その時々の体調に合わせて身体に負担がかからないものを選んで食べているように感じます。人間も体調が悪ければ、のど越しが良く、胃もたれしない食べ物を食べたいと感じるのと同じです。

甲状腺機能亢進症は、長期的に付き合う病気になります。猫の体調も毎日微妙に変化します。体調が良いとき、悪いとき、食べたいキャットフードもいろいろです。その都度、猫が食べたいと感じるものを準備してあげることが重要になります。

猫は、人間のように言葉で伝えることはできませんが、飼い主が猫の様子を観察することで、猫が感じていることや、伝えたいことを推測することができます。

病気の猫にとって、日々の食事は命をつなぐことと直結します。1回、1回の食事を大切にすることが重要です。

まとめ

猫の病気になったときは、たくさんの量は食べられない場合があります。少なくても必要なカロリーが得られるよう、病気の猫用の療養食を準備しましょう。スペシフィックの療養食は、猫の食いつきが良く、栄養価が高いため、準備しておくと便利です。

甲状腺機能亢進症の治療を甲状腺ホルモンの分泌を抑えるメルカゾール錠で行う場合、猫が好むフードを与えても問題はありません。そのため、猫が喜んで食べてくれる甲状腺機能亢進症に適したフードを準備してあげましょう。

メルカゾール錠での治療を行う過程では、猫がフードを食べるときと食べないときの食べムラができたり、好き嫌いが激しくなったりすることがあります。そのような場合は、猫が好むものを探してあげましょう。

気難しい猫が食べたいと感じるフードを探すときは、「今まで与えたものと食感の違うフード」「原材料にざまざなな食材が含まれているフード」「新鮮な材料が使われているフード」という視点でフードをチェックしてみましょう。

病気の療養中の猫にとって、日々の食事は命をつなぐことと直結します。猫の体調を観察しながら、身体に負担のかからないフードを与えることが、あなたの愛猫の元気につながります。